佐々木主浩、江川卓も!プロ野球史に残る「絶対に打てない魔球」 (2/3ページ)

日刊大衆

 同じくフォークを武器としたのが野茂英雄(近鉄他)。日本、そしてアメリカで、トルネード投法から投げ込まれる剛速球とキレのあるフォークで三振の山を築いた。現役時代に戦った愛甲氏は「あのフォークはすごかった」と認めつつ、「野茂のは途中でブレーキがかかるから、しっかり待てば、打てないことはないんだよね。対して、佐々木は分かっていても容易に打てない。別格だよ」

■球史に名を残すスライダーの使い手

 続いて、スライダー。一般的には横に変化するボールで、右利き投手ならば、左へと逃げていく球筋になる。球史に名を残す使い手となると、デビュー当時の伊藤智仁(ヤクルト)と、中日黄金期を支えた岩瀬仁紀(中日)が双璧だろう。伊藤の“宝刀”スライダーには「死神の鎌」なる異名もあったほど。左打者の膝元にまで食い込む変化とキレは、打者を苦しめた。

「1年目の伊藤には、確か3安打完封を食らったことがある。実際、すごい球を投げてたよ。そのうちの1本を打ったのが私なんだけど、まっすぐを打ちにいったところにスライダーが来て、偶然芯に当たった。そんな感じだったね」(西山氏)

 ただ、当の伊藤は、ルーズショルダーを抱えていたこともあり、1軍デビューから、わずか2か月半後の7月頭に肩を故障し、離脱。その後、絶頂期の球威が戻ることはなかった。

「岩瀬のスライダーは、何種類か投げ分けてたと思うけど、伊藤ともまた違う。大きく曲がるのもあれば、ヤンキースのリベラのカットボールみたいに、手元でクイッと曲がる感じのもあった。あのキレは強烈だったよね」(前同)

 愛甲氏は、バッター目線で次のように語る。「打者が打てないスライダーの共通点は、曲がるのが遅いこと。ギリギリまで真っすぐと同じ軌道で来るから、打席での見極めがしづらいんだよ。並みの投手だったら軌道はある程度、膨らむからね」

 お次は、カーブ。昔は「ドロップ(drop)」と言われたが、その名の通り、縦回転を加えることで、山なりに落ちていく球だ。

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