「人を過度に疑う気持ち」が生む大きな弊害とは?
猜疑心が強い人は、なかなか他人を信じられません。信頼できる人が少ないので人間関係に悩みやすく、生きづらさを感じることもあるでしょう。
今回は、そんな猜疑心が強い人の特徴と、猜疑心をうまく解消するコツをご紹介します。
■「猜疑心」とは何か?
まずは、猜疑心の意味や悪い感情なのかについてお話しします。
◇「猜疑心」の言葉の意味
猜疑とは、「人を疑ったりねたんだりすること」。そして、猜疑心とはその名の通り、「他人の言葉や行動を疑う心」のことを意味します。
疑り深い人を見た時に、「あの人は猜疑心が強いよね」などと言うことがあります。
◇猜疑心って悪い感情?
猜疑心は、程度は違えど誰でも持っているもの。悪いものではありませんが、あまりに猜疑心が強いと誰のことも信じられなくなってしまいます。
悪い人にだまされないように、適度な猜疑心を持って人を見極めるのは大切ですが、過剰な猜疑心は信頼関係を遠ざけてしまうでしょう。
■猜疑心が強い人に見られる言動・性格の特徴
上述した通り、猜疑心が強すぎるのは考えもの。猜疑心が強い人に見られる特徴を紹介するので、当てはまっていないかチェックしてみましょう。
◇言動の特徴
☆(1)人をよく観察する
猜疑心が強い人は、基本的に他人を信用していないので「この人は信頼できるのだろうか?」と心配し、よく観察します。普段からいろいろな人のことを見ている人は、猜疑心が強い可能性が高いでしょう。
☆(2)あまり自分の話をしない
猜疑心が強い人はあまり自分の話をしません。というのも、自分の弱みをさらすような気がして不安だからです。
相手を疑っていてあまり信用していないので、なるべくプライベートな情報は開示せずに聞き役に徹し、秘密主義のような言動を見せます。
☆(3)計画的に行動する
不安になりやすいのも猜疑心が強い人の特徴。だからこそ、失敗しないように入念に計画を立てて行動します。
緻密にスケジュールを立てたり、あらゆるリスクを想定したりして計画的に行動する人は、猜疑心が強い人といえます。
◇性格の特徴
☆(1)心配性
猜疑心が強い人は、疑り深い故に心配性。「もし〇〇になったらどうしよう」と最悪のケースを想定する癖があり、まさかの事態を心配して現状維持を選びます。
自分ではどうすることもできないことまで心配し、リスクがついて回る新しいことにチャレンジするのは苦手です。
☆(2)思い込みが強い
猜疑心が強いとどんどん不安が大きくなり、ネガティブな思考が止まらなくなります。思い込みが強いあまり、普通は「そんなはずないよ」と思ってしまうような状況も「絶対にそうだ!」と信じ込んでしまうことも。
予定が狂うと、気が動転して悪い方向へと思考が膨らんでいき、最悪の事態を考えることも珍しくありません。
☆(3)あがり症
不安が強く心配性で悪い方向に考えがちなので、リラックスできずいつも緊張しているのも猜疑心が強い人の特徴です。
「もし失敗したらどうしよう」という不安が緊張を招き、あがり症になります。人前に立って何かするなど、緊張しやすい目立つ行動は苦手です。
■猜疑心が強くなってしまう心理・原因
どうして猜疑心が強くなってしまうのでしょうか? その心理は、ずばり自分が傷つくのが怖いから。
信じていた相手に裏切られたら傷つきますよね。しかし、最初から相手を疑っていれば、裏切られたりひどいことをされたりしても、「やっぱりな」と深く傷つくことを避けられます。
臆病で自己防衛本能が強い人は、自分の心を守るための壁として強い猜疑心を抱くのです。
■猜疑心の強さ診断
自分が猜疑心の強い人なのか診断するチェック項目をご紹介します。
どれも猜疑心が強い人の特徴で、10個中5個以上当てはまったら猜疑心が強いタイプだといえるでしょう。
◇早速チェックしてみよう!
□(1)不安になりやすく、「心配性だよね」と言われることがある □(2)物事は計画を立てて慎重に進める方だ □(3)過保護な家庭で育った □(4)失敗を引きずるタイプだ □(5)よく人のことを観察する癖がある □(6)親しくない人にあまりプライベートの話はしない □(7)人見知りする方だ □(8)「もしも〇〇だったらどうしよう」と悪い方向に考えがちだ □(9)新しいことをするのが苦手だ □(10)連絡は誰とでもまめに取り合いたい
■猜疑心を和らげる方法
猜疑心が強すぎる人は、猜疑心を程よく和らげた方が生きやすくなります。猜疑心を和らげる方法を4つご紹介するので、ぜひ実践してくださいね。
◇(1)猜疑心が強いことを自覚する
「そんなに人を疑っていない」「猜疑心が強いタイプじゃない」と自分の猜疑心を認めないままでいると、いつまでも猜疑心を手放せません。
まずは、猜疑心が強いことを自覚して、いったん受け入れてから解消するようにしましょう。強い猜疑心を受け入れることで、客観的に自分を見つめ、冷静に対処できるようになります。
◇(2)強い猜疑心は不要だと知る
少しの猜疑心であれば問題ありませんが、強い猜疑心は心の毒です。人を信じられなくなり、人間関係に亀裂が入りやすくなるでしょう。
また、物事を悪い方向に捉えやすく、ストレスを抱え込む原因にもなります。「強い猜疑心は不要だから、持たなくていい」と考えることで、少しずつ猜疑心が和らいでいきますよ。
◇(3)「悪い予想は被害妄想」と考える
猜疑心が強い人はどんどん悪い方向へと考えがちなので、「これは自分の被害妄想だ」と認識し、歪んだ思考を一度リセットする癖を付けましょう。
そのまま放っておくと悪い考え方が固定化し、思い込みが強くなってしまいます。そんな時は「また被害妄想をしちゃったな」と考えて、いったん冷静になりましょう。
◇(4)「きっと大丈夫」を合言葉にする
疑う気持ちが生まれたら心の中で「きっと大丈夫」と唱え、楽観的に考える練習をしましょう。
必要以上に誰かを疑っても心が疲れるだけです。明らかに相手が嘘をついている場合は別ですが、最初から人を疑ってかからないようにしてください。その方がラクに生きられますよ。
生きづらいなら克服しよう!
強い猜疑心を抱えていて、人を疑って生きるのがしんどくなってきたら、自分を変えるタイミング。すぐには無くならないかもしれませんが、自覚して行動を少しずつ変えていけば、だんだんと猜疑心を手放すことができます。
今回ご紹介した方法を実践して、人を信じる力を育て、信頼関係を作りましょう。きっと生きやすさを実感できるはずです。
(秋カヲリ)
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