歴代総理の胆力「野田佳彦」(1)政権当初の期待感が失望に (2/2ページ)

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 ところが、とくに消費増税に関して、まずノーを突きつけてきたのが党内最大勢力の小沢一郎のグループだった。例えば、こんな声が出たのだった。

「民主党が国民と約束、政権を取らせてもらったのは『国民の生活が第一』ということではなかったか。それが消費増税の負担増では、政権がもたない、消費増税を『不退転の決意でやる』とまで表明しているが、あの執着ぶりは異常としか言えない」

 ついに、小沢グループの衆参50名がもはや野田政権に協力できないとして離党届を提出、ここから実質的な民主党の瓦解、野田政権の崩壊が始まったといってよかったのである。

 一方、総理大臣が「不退転の決意」という言葉を使った以上、その増税法案の成立は不可避なものとなる。ところが、野田は党内の支持グループが脆弱であり、一方で最大野党の自民党の協力も得なければ成立は難しいが、自民党とのパイプもほとんどなかった。また、根回しなどの手法も得意とは言い難かった。窮余の一策と言うべきか、野田はここで法案成立への“爆弾”を投げたのだった。

■野田佳彦の略歴

昭和32(1957)年5月20日、千葉県船橋市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。松下政経塾第一期生。平成5(1993)年7月、衆議院議員初当選。平成12(2000)年、民主党から出馬、当選。平成23(2011)年9月、内閣組織。総理就任時54歳。現在63歳。

総理大臣歴:第95代 2011年9月2日~2012年12月26日

小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。

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