笑顔に見える亀、一度は絶滅したと思われていたが熱心な保護活動で危機を免れる(ミャンマー)

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笑顔に見える亀、一度は絶滅したと思われていたが熱心な保護活動で危機を免れる(ミャンマー)
笑顔に見える亀、一度は絶滅したと思われていたが熱心な保護活動で危機を免れる(ミャンマー)

一度は絶滅したと思われていた亀が奇跡の復活 image credit:Steven Platt/Facebook

 笑ってるわけではないのだが、笑っているように見える動物は人間を幸せな気分にしてくれる。オーストラリアのクアッカワラビーなんかがそうだ。

 かつてはミャンマーの自然に広く生息していた「ビルマオオセダカガメ」も笑っているように見える動物だが、20年以上も前に絶滅したと考えられていた。

 しかし、その後3匹のビルマオオセダカガメが発見され、保護プロジェクトにより繁殖や保護対策が行われたおかげで、現在は1000匹ほどに個体数が増えたという。『The New York Times』などが伝えている。
・絶滅したとされたビルマオオセダカガメ、生存が判明し保護される

 口角がキュッとあがっているために、笑っているかのように見える亀「ビルマオオセダカガメ」は、かつてミャンマーを流れるエーヤワディー川の河口や山に広く生息しており、“巨大なアジアの川のカメ”として知られていた。

 しかし、1990年代にはその個体数が激減。魚の乱獲によって釣り具に引っかかったりして命を落とすカメが増えたのだ。

 一度は「絶滅」とみなされていたビルマオオセダカガメだったが、2001年に川沿いの村で住民に食べられた跡とされるカメの甲羅が発見され、研究者がミャンマー森林局の協力を得て個体数を確認したところ、3匹だけ生存していることが判明した。


 その後、残り僅かな野生のビルマオオセダカガメのために、森林局や野生生物保護協会、カメの国際的保護団体『Turtle Survival Alliance』の協力によって、計画された飼育繁殖や保護対策、および最終的には野生への再導入を伴う保護プロジェクトが発足した。


Restoring the Burmese Roofed Turtle in the Chindwin River
・繁殖に成功し、現在は1000匹ほどが生存

 ビルマオオセダカガメは、マンダレー市内の動物園に移され、人工繁殖が勧められた。

 その結果、見事に成功。現在は、ミャンマーにある3つの施設で1000匹が生息しているそうだ。

 野生生物保護協会の獣医学者スティーブン・G・プラット博士は、メディアで次のように語っている。

2001年に残りわずかなカメが発見された時点で、我々が保護しなければ、間違いなく絶滅は免れなかったでしょう。

 ビルマオオセダカガメの生態においては、まだ不明なことも多く、そのため保護活動は決して容易ではないようだ。

 だからこそ、Turtle Survival Allianceの会長リック・ハドソン氏は、希少とされるカメの個体数がここまで増えたことに喜びを露わにし、このように話した。

この事例は、おそらく世界で最も優れたカメの保護成功例のひとつといっていいかもしれません。


 なお、増えたカメの何匹は、5年前から既に川へと戻されているという。

 いつも笑顔を絶やさないビルマオオセダカガメ。そのかわいらしい笑顔が絶えることがなくなって本当によかった。


A critically endangered female Burmese roofed turtle (Batagur trivittata) at the Singapore Zoo.

追記(2020/09/16)記事内を編集して再送します。
written by Scarlet / edited by parumo
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