間違ってない? 「やぶさかではない」の本当の意味 (3/4ページ)
加えて、「やぶさかでない 」の「ない」が否定的なニュアンスを感じさせることも一因だと考えられます。
以下に、「仕方なく〜する」「ためらいつつ〜する」という間違った意味で使っている例文を挙げます。
◇誤用の例文
・部長がどうしてもとおっしゃるのなら、残業するにやぶさかではありません。
・私も苦手な分野だが、他に誰もいないと伺ったので、お手伝いするにやぶさかではない。ただ、引き続き適任者探しには努めてもらいたい。
特に昨今は、上の2つ目のように「〜するにやぶさかではない。ただ……」な使い方をする人が増えています。
「喜んで〜しますよ」と言った後に、「ただ」「ただし」「ところが」などの接続詞を付け足して、条件や言い訳を述べたり、逆説的なことを述べたりするわけですね。
誤用にも関わらず、会議、国会答弁でも見受けられます。公的な場面で見聞きすることにより、ますます誤用が広まっていくという現状があります。
■「やぶさかではない」の言い換え表現
前述の通り、「やぶさかではない」の誤用が広い範囲にわたって増えていることが分かりました。
しかも、文化庁の調査によれば、それに疑問を感じない人の方が多いわけですから、注意が必要です。
なぜなら、「やぶさかではない」「やぶさかでない」を本来の積極的な意味で使っても、それが相手に正しく理解されなければ、「仕方ないからやりますよ」という消極的な意味に受け取られてしまうからです。トラブルの元になることもあるでしょう。
コミュニケーションにおける言葉の役割は、何より互いの意思が伝わること。誤解を招きやすい言葉なら、伝わりやすい言葉に変換する工夫も必要でしょう。
そこで、「やぶさかではない」「やぶさかでない」に変わる言葉を次に紹介します。
◇「喜んで〜する」
物事の可否だけでなく、「喜んで」という気持ちを表すことができます。