三浦春馬さん『おカネの切れ目が恋のはじまり』悲劇を忘れる“陽の魅力”

日刊大衆

三浦春馬
三浦春馬

 近年のTBSドラマの当たり率はすごい。ナニコレ面白いと思ったら、たいていTBSだ。火曜夜10時の「火曜ドラマ」枠も、今年に入ってから『恋はつづくよどこまでも』から『私の家政夫ナギサさん』まで快進撃が続いている。

 そして9月15日に初回を迎えた『おカネの切れ目が恋のはじまり』も世帯平均視聴率が11.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と2桁越え。私も見た後、自然に口に出た。「ヤダ面白い!」と。

 正直、中盤までは、松岡茉優(25)演じる「清貧女子」である九鬼玲子のキャラがカンに触った。シレッとした顔でお気に入りのお菓子を1つだけ買い、「よきかな」と言いつつゆっくり食す。なにこのドヤ感。ところが結局、それがラストでゴロッと「あなたもこっち側でしたか、ごめんごめん!」と親近感に変わるマジックにまんまと引っ掛かった。恐るべし、松岡茉優と脚本家・大島里美。

 ヒロインだけではない。板垣純(北村匠海/22)の存在も身につまされる。飲み会での割り勘への不満、強制参加についての板垣の心の声は、「そうそう!」とうなずいた人も多いのではなかろうか。顔色の悪さもリアルで、序盤、役ではなく本当に具合が悪いのではと本気で心配した。

■三浦春馬さんと松岡茉優は名コンビ

 ファイナンシャルプランナーの早乙女を演じる三浦翔平(32)は、『M-愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)のマサ役で振り切った演技を見せ、違うゾーンに行ってしまうのではないかと勝手に心配もしていたが、余計なお世話だった。今回、ちゃんと現世の演技(?)に戻っていてホッとした。

 そして、7月に亡くなった三浦春馬さん。お金にルーズな御曹司・猿渡慶太のキュートなことよ! 10代ぐらいに思えるほどピュア、人間的にガツガツしたところのない「愛され坊ちゃん演技」が素晴らしい。ちゃんと寂しがるし、ちゃんと甘える。松岡のしっかり者感が、より三浦さんの笑顔の無邪気さを引き立たせていた。なるほど、名凸凹コンビである。

 生活苦で交通費などをごまかしていた板垣に対して、クシャッとした笑顔で板垣の膝に手を置き「分かんねえよ。俺とは違うんだから。エースなんだから。期待されてるんだから。かっこよくいてくれよ」というシーンは、猿渡慶太の「欲しくてもどうしても手に入らないもの」を余すところなく伝えた名シーンである。

■悲劇を忘れる名演技

 ドラマが始まるまで、どんな感情が起こるのか不安だったが、三浦さんのガンガン買い物をする無邪気な笑顔に癒され、豆皿をテキトーに買う無神経さにイラっとし。「サルくん」のドタバタに、いろんなことを一瞬ではあるが、忘れて見ていた。

 三浦春馬さんの「陽」の魅力が素晴らしい『おカネの切れ目が恋のはじまり』。慶太のなにも考えず使う「子どもタイプの浪費家」、そして玲子の徹底的に推しに貢ぐ「大人タイプの浪費家」コンビが紡ぐ世界観は濃厚。第2話は早乙女とのトライアングル・ラブが勃発するかも? 全4話、三浦の笑顔と松岡の仏頂面が紡ぐ、マネーな世界をとことん楽しみたい。(田中稲)

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