ビートたけしの名言集「殿の磁力に引き寄せられたおかしな人々」 (1/2ページ)

アサ芸プラス

ビートたけしの名言集「殿の磁力に引き寄せられたおかしな人々」

「そういえば昔、『たけしさんがテレビの中から私に電波を送っています。たけしさんは私にお金を貸したがっています。200万貸してください』なんてのが事務所に訪ねてきたことあったな」

 先日、楽屋のテレビで殿とニュース番組を何気なく眺めていると〈某アイドルがストーカーの被害に遭い、怖い思いをした〉といった事件が紹介されていて、そのニュースを見た殿は、「しかしどこにでも危ね~ヤツいるな」と、一言添えてから、冒頭の言葉を続けたのです。

 80年代初頭の漫才ブームでドカンと売れてから、約40年近くにわたってテレビに出続けている殿の下には時折、明らかにおかしな方々がやってきます。

 わたくしも付き人時代、見た瞬間に〈こいつ、危ね~な〉と感じる、“誰がどう見ても普通ではない人”に何度もお目にかかっています。

 以前、ある現場に殿が車で入るのを待っていると、どこからともなくすーっと現れた男がいきなり「たけしさんはもうすぐですか?」と話しかけてきたのです。その男、体は小柄で、見た感じ30代後半。服装は冬だというのに膝から下が切れている半ズボン。上はクタクタによれて黄ばみがかったグレーのパーカーのみ。顔は青白く、唇がカサカサに荒れていて、歯並びが異常に悪く、目と目の間にある大きなホクロから長い毛が1本生えていて、とにかく“ちょっと普通じゃない空気”を存分に漂わせていました。

 で、わたくしが聞かれた質問に無視を決め込み、何とかやり過ごそうと相手にしない態度を取ると、その男はいきなり「俺はたけしにここに来るように言われたんだよ! たけしから弟子になってくれって頼まれて来たんだよ! 何度もたけしとは電話でしゃべってんだよ!」と、口から泡を飛ばしてまくしたてたのです。正直、怖いとは思いましたが、その男が小柄だったため〈いざとなったら何とかなるか〉と判断し、再度無視を決め込み、一旦その場を離れてから、こちらに向かっている殿の運転手に電話を入れ、停車位置を変更してもらって、なんとか事なきを得たのです。

 よくも悪くも、殿が持っている強烈な磁力に引き寄せられ、本当にさまざまな“普通じゃない方々”がやってきます。そして“おかしな手紙”なども、わんさか届くのです。

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