「返品したい」「施設を紹介して」ペットブームに潜む「飼育放棄」の酷い現実 (2/2ページ)

Asagei Biz

代金はいらないから返品したい』という問い合わせが入るようになり、なかには犬のニオイが気になり、毎日シャンプーしたところ、皮膚が傷つき、そこからばい菌が入って犬が寝込んでしまった。『もういらないから、引き取ってくれる施設を紹介してほしい』という問い合わせもありました。彼らは、動物の命をいったい何だと思っているのか……。動物を扱う仕事をするものとして、本当に、憤りを感じずにはいられませんね」(前出・オーナー)

 悲しいかな、こういった飼育放棄は日本だけではなく、全世界で起こっているのだという。米在住のジャーナリストが語る。

「新型コロナの感染者が最も多いアメリカでも、まったく同じ問題が起こっていて、ニューヨークの動物保護団体『FRIENDS WITH FOUR PAWS』は、新しい飼い主に誓約書の提出を義務づけ、飼育放棄が少なくなるよう努力しているんですが、それでも、飼育放棄し、山林に捨ててしまうといったケースが後を絶たないのだとか。自粛中でこの有様ですからね。この先、自粛が緩和されて、元の生活に戻ったら、さらに飼育放棄が増えることは間違いないでしょうね」

 日本でも、外出自粛要請が緩和された5月下旬ごろから、都内の動物保護施設には連日、子犬や子猫が送り込まれてくる、まさに異常事態が発生しているというのだが……。

 このままコロナ禍と経済停滞が続けば、ペットの世話にかかる費用を捻出できず、飼育放棄するケースは増える可能性がある。

 ペットといえど、一度飼ったら家族も同然。最期まで飼う覚悟がない者は、間違ってもペットなど飼わないことを肝に銘じてもらいたいものだ。

(灯倫太郎)

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