政治あり、冒険あり! 縄文時代にタイムスリップした若者たちは現代に戻れるのか? (1/2ページ)
時は2025年。浅間山からほど近い群馬県の笹見平に毎年恒例のサマーキャンプにやってきた、大学生21人と中学生32人、総勢53人からなる青少年たち。
大学生リーダー、中学生リーダーがそれぞれ決まり、竪穴式住居の宿泊など縄文文化を体験できる「縄文の家」で迎える最初の夜、彼らは今までに体験したことのない強烈な轟音と激震を感じる。
その時から辺りの様子は一変する。夜空に輝く星の数は少し多く感じ、浅間山も少し大きく見える。そして、スマートフォンは圏外。一体何があったのだろう?
青少年たちは大学生リーダーの林のもとでさっそく調査に乗り出す。
不自然に切断された道路。その先にある雑木林は、明らかに今まで見てきたそれよりも色が深い。そして、野生イノシシの襲来。不可解な出来事が起きていた。
さまざまな理由から、彼らはこう結論づける。ここは現代の日本ではない。どうやら4500年前の縄文時代にタイムスリップしてしまったようだ――。
時間を超えて、孤立してしまった若者たち。
一体なぜ彼らは縄文時代にタイムスリップしてしまったのか?
そして、無事に現代に戻ることはできるのか?
『異世界縄文タイムトラベル』(水之夢端著、幻冬舎刊)は縄文時代にタイムスリップしてしまった団結やいさかい、新たな友人との交流、社会の進化などを通して成長していく若者たちと、彼らが真実に辿り着くまでの冒険を描いたSF小説だ。
53人もの青少年たちが集うグループである。その中では政治が生まれ、派閥が分かれることだってある。
リーダーの林は社交的な人物であるがゆえに、原住民の縄文人たちと仲良くなるのも早く、惜しみない協力を受けることになる。特に最初に出会った縄文人の若きリーダー・ユヒトは、物語を通して林の理解者となる。
その一方で、縄文人との交流を疎ましく思う人間もいる。弁が立つ大学生の早坂だ。彼はグループの中でも一目置かれる存在で、発言に対する影響力も大きい。そんな彼は、ユヒトらとの交流を反対する。