人間の喉の奥に「未知の臓器」を偶然発見。それは第4の唾液腺だった(オランダ研究) (1/3ページ)
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image by:The Netherlands Cancer Institute
遺伝子にメスを入れ、マイクロチップを脳に埋め込むほどにまで技術が発達した現在であっても、人体の神秘はまだまだ完全には解き明かされていない。
『Radiotherapy and Oncology』(2022年9月22日)に掲載された研究よると、人間の喉の奥からこれまで知られていなかった唾液腺が偶然発見されたという。
・前立腺がんの検査で偶然発見
その「未知の臓器」は、オランダがん研究所のグループが「前立腺特異的膜抗原(PSMA) PET-CT」という最新の検査機器で前立腺がんの患者を検査していたときに偶然見つかった。
PSMA PET-CTは放射性グルコースを注入することで、これまでは見つけられなかった腫瘍を検出することができる。ところが、その検査では鼻咽頭の後ろに誰も気がつかなかった1対の器官が浮かび上がったのだ。
「人間には大きな唾液腺が3つありますが、その位置とは違うところにあります」と、オランダがん研究所のウーター・フォーヘル氏は解説する。
「我々の知るかぎり、鼻咽頭にある唾液腺や粘液腺といえば、粘膜に1000個ほど均等に散らばっているごく小さなものであるはずでした。ですから、これを見つけたときはとにかく驚きました。