起伏の多い体内を回転しながら薬を運ぶマイクロロボットが開発される(米研究) (2/3ページ)
お尻からお腹の中に潜り込めるくらい小さなロボットにとって、腸内はかなり難度の高い悪路である。
何しろ、腸は動き回る上に、そこには消化された食べ物やら粘液やらがある。しかもそれらは上から流れてくるので、そうした流れに逆らいながら進まなければならない。
それでもバク転ロボットは過酷なマウスの直腸内を見事に動き回ってみせたとのこと。麻酔をかけたマウスの直腸から生理食塩水に混ぜて挿入したところ、その内部をバク転で軽々と動き回っている姿が超音波ソナーに映っていた。
さらに人間と同じような腸を持つブタでの実験でも、同様にしてロボットの移動を確認。くわえて生理食塩水に混ぜた薬をボディから放出する実験にも成功したそうだ。
Tumbling Magnetic Microrobots In Vivo
・将来的には内視鏡のかわりになるかも?
バク転ロボットのボディは、安価なポリマーと金属で構成されており、もちろん体に有害なものは使われていない。また一般的な製造機器で一度に無数のロボットを生産することも可能であるようだ。
「大きな動物や人間をさかのぼるには、たくさんのロボットを投入せねばならないかもしれません。ですが、それは複数の薬を複数の患部に届けられるということでもあります」と、グレイグ・ジョルジャン氏は話す。
投薬以外にも診断ツールとしての潜在能力も秘めているとのこと。もしかしたら将来的には、患者に負担のかかる内視鏡のかわりに、無数のロボットが注入されるなんてこともあるかもしれない。
この研究は、『Micromachines』(9月17日付)に掲載された。