電子レンジで加熱したお湯とコンロで沸かしたお湯は同じではない
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お茶やコーヒーをマグカップに入れて、電子レンジでチンッ! 一口飲んでみたらあちちっ!! やたらと熱くて慌てた経験はないだろうか?
じつはレンジで温めた水とコンロで温めた水は、同じようで少々違うのだそうだ。
・コンロとレンジでは温まり方が異なる
もしヤカンに水を入れてコンロで熱したとしよう。すると水は底から加熱されて密度が薄くなり、そのために上へと移動。同時に温度の低い水は下へと沈み、そこで加熱されて上昇。こんなことを繰り返している。
これを「対流」といい、このプロセスを通じて、水は全体がまんべんなく温められる。
ところがレンジで温める場合はちょっと違うプロセスになる。水はあらゆる角度から加熱されるので、対流が起きない。そのために上部と下部では温度差が生じやすくなる。
底から加熱したものに比べて、最初の一口がとても熱く感じられるのはそのためだ。
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・専用プレートで対流を作り出す
そこで中国の電子科技大学のグループは、電子レンジによる加熱プロセスを研究して、レンチンでも対流を作り出す方法を考案した。
そのコツは、電磁波が水面に当たらないようにすること。そのために開発されたのが専用設計の銀のプレートだ。
アルミホイルのようなそれをコップの縁に取り付けることで、液体上部に照射される電磁波を減らし、加熱プロセスを対流に近いものにできる。
実験によれば、7センチのプレートを取り付けたガラス製のコップに水を入れ、それを電子レンジで温めたところ、水面と底の温度差が7.8度から0.5度にまで縮まったそうだ。
image by: AIP Advances
・火事の心配もなし
電子レンジに金属を入れるなど普通なら危険なことだが、研究グループは事故が起きないような効率的かつ安全なデザインを考案している。プレートの大きさや発火しやすい縁の部分を入念に調整したところ、レンジでチンしても発火しないことが確認されたそうだ。
研究グループは現在商品化へ向けて、大量生産する方法やコストを削減する方法などを模索しているとのこと。これが完成すれば、レンチンした飲み物をすすって熱さで涙目になることもなくなるだろう。
同じやり方で固体を加熱する方法も研究しているそうだが、こちらはずっと複雑で難しいのだとか。とりあえずは、温かい飲み物だけで満足するとしよう。
この研究は『AIP Advances』(8月4日付)に掲載された。
References:zmescience / mashable