仕事に「やりがい」を見つけることで人生はどう変わるのか? (3/3ページ)

新刊JP

最初はやはりサラリーマンとしてまずはお金を稼ぎたいと思っていましたし、会社の仕事で「こんなことやってられないよ」とか「もう辞めたるわ」とか思っていましたね。仕事とプライベートも、当時は分けて考えていたような気がします。

――仕事への意識が変わった転機のようなものはありましたか?

石田:娘が重度の障がいを持って生まれたことが転機でしたね。それまではMRとして医療業界の中にいながら、障がいを持つ子どもを授かるなんて、どこか他人事だったんです。

自分の娘がいざそうやって生まれたことで、世の中の理不尽さや辛さ、厳しさを感じましたし、一方ですごくありがたい出会いに恵まれたりもしましたのですが、この体験を通して「障がいのある娘が幸せに過ごせるような街を作りたい」と思うようになったんです。

そうなると、自分の仕事と夢がリンクするんですよ。それが転換点でした。

――今は起業して、自分の会社でその夢を追っていらっしゃる。

石田:そうです。たとえば、たまに障がいのある方が車を停める時の「駐車禁止等除外標章」が置いてある車があるじゃないですか。あれは警察署に行ってもらうものなのですが、多くの人はそれを知りません。

私がやっているのは調剤薬局のチェーンなのですが、ただ薬を渡すだけではなくて、税制の優遇とか助成金の申請はどこで、障がい者福祉の申請はどこで、小児科のいいリハビリセンターはどこでといったことを、薬局に来れば全部わかるようにしたら、障がいを持った方々はもちろん、そうでない人ももっと暮らしやすくなるのではないかと思ってやっています。

――暮らしにかかわる様々なことを薬局でアドバイスできるようにするということですね。

石田:そうです。たとえば介護保険の申請にしても、市の介護福祉課の職員に紹介状を書いて手続きがスムーズにいくようにしたり、膝が痛いという方には、膝の治療に詳しい先生のいる病院を教えて、紹介状を書いて診察・治療を受ける道筋をつくってあげる、ということをやっています。

それは、さっきお話した私の死生観ともつながっていて、「目の前の患者さんが、もし自分の家族や友達だったらどうするか?」という考え方を自分だけでなく従業員にも徹底するようにしています。

今は都市機能の中に、困ったことを何でも相談できる仕組みを入れられないかということで、マンションのデベロッパーと一緒に「ライフコンシェルジュ」という仕組みを入れたマンション建設を手がけたりもしています。

(後編につづく)

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