整形外科専門医が指摘「人生100年時代」に知っておくべき腰とひざと股関節のこと (2/4ページ)
たとえばひざの軟骨がすり減って痛みが出ている状態を変形性ひざ関節症と言いますが、悪化してしまったら、関節を人工関節に取り替えるしかありません。逆にいえば、虫歯の治療と同様に軟骨が削れて露出してしまった骨は、手術で覆ってしまえば、痛みも変形もなくなり、何歳になっても自分の足で歩いていられるようになります。この本を通して痛みや変形、腰痛や坐骨神経痛は手術で治るということを伝えたいのです。
――壊れた腰やひざ、股関節の痛みを完治させようと思ったら、最終的には手術、ということでしょうか?
三輪:そうですね。壊れたら、ちゃんと治すには手術しかないですね。手術というとみなさん怖がるのですが、合併症さえ出なければ、かなり高い確率で治るということを知っていただけたら嬉しいです。腰の手術をして車椅子生活になる人や、人工関節手術をして痛くて歩けなくなる人は、今はほとんどいません。
――手術で治らないというケースもあるのでしょうか?
三輪:たとえば脳卒中などで手足に麻痺が出ることがありますが、腰の故障でも脊髄が圧迫され、麻痺が出て、足が動かなくなってしまうことがあります。このように神経が死んでしまうと、手術では治せません。
また、ひざでも、関節軟骨がすり減るだけでなく、その下の骨まで削れすぎてなくなってしまうと、人工関節を設置できなくなってしまいます。手術には適切な時期があり、それを逃すと手遅れになってしまうことがあるのです。
――ひざや股関節では軟骨がすり減って痛くて歩けない場合、人工関節手術をすれば痛みが取れ歩けるようになるが、悪化しすぎると手術できないこともあるということですね?
三輪:そうです。軟骨に覆われていた骨が、あまりに削れすぎると、人工関節を設置する土台がなくなってしまうんですね。ただ、絶対に治らないということではなくて、それに応じた機種を使って治すしかないのですが、術後の機能はかなり劣ってしまいます。
――人工関節の機能はどれほどのものなんですか?たとえば、あぐらをかいたりすること はできるのでしょうか。