コロナ禍で苦しむ経営者が知るべき伝説的コンサルタント・一倉定の教え (2/4ページ)
そして、中小企業の多くはオーナー企業で、社長の力が大きいですから、彼らがまちがったことをしても、社内に誰も止められる人間がいません。
――だからこそ、彼らを教育する必要を感じていたんですね。
作間:そうですね。もし倒産させてしまったとして、被害を被るのは、得意先もそうですが、一番は従業員じゃないですか。まして地方だと、倒産したからといって次の仕事を探そうにもなかなか難しい。それと同時に、中堅企業、中小企業はその地域の経済を支える存在でもあります。だから「絶対に倒産させてはいけない」と常々言っていました。
――「会社を潰さないこと」を徹底して指導したという一倉さんですが、潰さないためにどんなことを教えていましたか?
作間:やはり中心はお金のことでしたね。一つ具体的にあげると、4月1日に新しい期が始まる時に、翌年の3月31日に決算がどうなっているかという一年後の決算書を作りなさいと言っていました。
損益計算書だったら、たとえば経費をこういうことにこれだけ使って売り上げを20億作って、1億5000万円利益を出しますよ、というようなことをあらかじめ書いてしまう。つまり、この一年でどんなことをやって、一年後に会社がどうなっているのかというのを期が始まる時に決めておくんです。そして、その通りに経営する。
――あらかじめやることを決めてしまう。
作間:そうです。単年度のバランスシートを作っておいて、そこに向かって突き進むというやり方です。もちろん、ビジネス環境が大きく変わったりしたら手は打たないといけませんが、色気を出して計画より二人多く採用しよう、とか安い機械が出たから買ってしまおう、とか計画にないことをやってしまうと、万が一の時に資金ショートを起こしやすくなるので。
――その通りになるんですか?
作間:その通りになることなんてめったにありませんし、ならなくていいんです。ただ、そうやって計画を立てて実行するということを繰り返していかないと、会社にお金は貯まらないんですよ。