大学教授が語る「デキる社会人になる子育て術」 (3/4ページ)
もちろん、小さいお子さんを育てている方には読んでいただきたいと思っていますが、必ずしもお母さんということではなく、お父さんにも読んでいただきたい本です。特に今は新型コロナの影響で在宅勤務が増え、お父さんが子育てに携わる時間がたくさんありますから。
――タイトルにある「デキる社会人」について、鬼木教授はソニー時代にどんな人を「デキる」と思ってきましたか?
鬼木:「デキる社会人像」は時代によって変わってきていると思います。かつては「あの人に聞けばわかるよ」といって頼りにされるような、知識を持っている人がデキるとされてきましたが、今は大抵のことはインターネットで調べられますから、知識そのものの価値は相対的に落ちていますよね。
今はインターネットでは解決できないこと、例えば「考える力」「企画する力」「行動に移す力」がある人を「デキる社会人」と呼ぶと思っています。必ずしも教科書通りに行かないのが仕事なので、うまくいかない時にどうするのか、どのように窮地を打開することができるのかという、視野の広さや引き出しの数が勝負になります。この本では「選択肢力」という言葉を使いましたが、アイデアの引き出しの数は一見本筋とは関係のない経験から生み出されることが多いので、子どものうちに、親の目からみて「くだらない」と思うことでもチャレンジさせてあげるべきであるというのが私の思いです。
――先ほどのお話にあった「社会人基礎力」とはどのような力ですか?
鬼木:定義としては、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」であり、その要素として「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力があります。私はこれらを、仕事だけではなく、生活していくうえでも大切な能力であると考えています。
学校の成績は記憶、パターン認識により一時的に向上することができますが、実践では容易に答えが出ないことの方が圧倒的に多いものです。今回の本ではこれらの3つの能力を家庭内の日々の生活の中でどのように高めていくのかを具体的に示しました。