米軍、兵士の心を読み取る技術を開発中

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米軍、兵士の心を読み取る技術を開発中
米軍、兵士の心を読み取る技術を開発中

米軍が開発中の兵士の心を読み取る技術 /iStock

 テレパシーのように心の中で仲間と会話することができたら、隠密行動を行っている兵士に大きなメリットがあることは明白だ。

 米軍は今、脳内信号から兵士の心を読み取るための技術を開発中だという。
・脳内信号を事前にキャッチ

 この技術は超能力的なものではなく、実際にはずっと地に足がついた研究だ。現時点で成功しているのは、ボールに手を伸ばすサルの脳内信号をアルゴリズムで解析し、行動や動作に影響を与えかねない信号とそうでない信号を区別することだ。

 アメリカ陸軍研究所(ARL)が助成する研究が目指すのは、兵士の脳にフィードバックを与え、それに従って行動を変えてもらうことで、彼らの健康を守れるようなシステムを作り出すことだ。

 ARLのプログラムマネージャーであるハミッド・クリム氏によると、人がストレスを受けているときや疲労しているとき、脳は本人がそれを自覚する前にそうした信号を出しているのだという。

 これを機械でキャッチし、無自覚な兵士に疲れていることを伝えてやれば、問題が表面化する前に休息を取らせることができる。

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Pixabay

・脳内通信システムで言葉を交わすことなく通信

 だがこれだけでは終わらない。クリム氏によると、これは思考によってコンピューターを操作する技術につながるもので、将来的には脳内通信システムに応用できるのだという。

 頭の中でたとえばスマホのようなデバイスに語りかける。するとそれを検出したデバイスは仲間が持つ別のデバイスに通信し、最終的に言葉を交わすことなく仲間にメッセージが伝えられる。

 ただし、そうした機械・脳インターフェースが登場するまでまだ数十年はかかるだろうとのこと。

 まず次のステップとして、運動に関連するもの以外の信号を特定できるようにならねばならない。そして、その次は信号の内容を解読し、言葉に置き換えられるようにする。これらが達成できて、いよいよ脳による双方向通信の実現が見えてくる。

 この研究に充てられる予算は、今後5年で625万ドル(およそ6億2500万円)。南カリフォルニア大学やカリフォルニア大学など、アメリカとイギリスの複数の大学が参加しているとのことだ。

References:c4isrnet/ written by hiroching / edited by parumo
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