なぜ何も言わずに聞いてくれる人は、人材を育てるのが上手いのか? (4/4ページ)
ただ、どうしてもそういう時って聞く側に立つとすぐに解決法を提示したくなるんですよね。
八木:そうですね。でも、聞いているだけで、相手が自分の中に解決法を見つけることもしばしばありますよね。
――相手が悩みを相談してくるときって、自分が何かしら答えを提示しないといけないんじゃないかと思ってしまいます。
八木:お金を払って問題解決を依頼されるコンサルタントなら、答えを提示しないといけません。でも、日常的なコミュニケーションの中でそういう機会があっても、必ずしも答えないといけないというわけではないと思います。もちろん、答えられることは答えるべきですが、答えを持ち合わせていない場合は、無理やり話す必要はないんじゃないでしょうか。
仮に自分が答えを持ち合わせていない、分からない状態であっても、それで自分は価値がないと判断する必要はありません。
――八木さんがおっしゃる通り、答えられないと自分は価値がないと思ってしまうんですよね。
八木:それは大丈夫です。極論を言うと、隣で黙って呼吸をしているだけでいいんですよ(笑)。心臓の鼓動が安定している人って、周囲の人たちを安定させる効果があるそうなんです。聞くということについて、黙っていても価値はあります。むしろ解決方法を見つけなくちゃと焦ってしまうほうが良くない。
確かに空白は埋めたくなるものですよね。問いを出されると、その答えを埋めたくなるのは人間の習性です。ただ、相手は誰かに話していることによって、心が安定したり、成長をしたりするものですから、無理に口を挟んで成長を邪魔しないようにしたほうがいいと思います。
(後編に続く)