再生と死という相反する二つの意味を象徴する月の逸話を紹介 (1/2ページ)

心に残る家族葬

再生と死という相反する二つの意味を象徴する月の逸話を紹介

満ち欠けをすることから「死」と「再生」の象徴とされる月。日本ではお月見の風習など、風雅な存在として月を捉えることが多いが、西洋では月の光を浴びると狼に変身するなど、狂気を伴う印象が強い。ラテン語で月を表す「luna」が語源の英語「lunatic」は、狂人という意味を持つ。晩秋に月についてあれこれ考察してみたい。

■お月見は日本人の独特の感性

小林秀雄氏は著書「考えるヒント」の「お月見」というエッセイの中で、知人から聞いたお月見のエピソードを紹介している。

京都の嵯峨で若い人たちが集まって宴会をしていた。たまたまその日は十五夜にあたっており、山の端に月がのぼった。すると、誰しも月に目を奪われ、月見の宴となったそうだ。

ところが、そこに同席していたスイス人の客人達は、一変した座の雰囲気が理解できなかった。小林氏はその感覚を「日本人同士でなければ容易に通じ難い、自然の感じ方のニュアンス」と表現している。

■月の光の虹「ムーンボウ」

可愛がっていたペットが亡くなったことを「虹の橋をわたる」と表現する飼い主がいる。

虹は、太陽の光が雨滴のプリズムに反射・屈曲して七色に分解されたもの。実は月の光でも虹をつくることはできる。月の光は太陽の光を反射しているからだ。月の光の虹は「月虹(げっこう)」、英語では「ムーンボウ」「ナイトレインボー」などと呼ばれている。

強い太陽の日差しでつくられる虹と違い、月の虹は光が弱いために、肉眼では白っぽく「銀の虹」ように見える。満月の時が一番出やすいと言われるが、簡単には見ることができない貴重な虹だ。

■月を題材にした回文

月を題材にした、日本の代表的な物語といえば「竹取物語」がある。この他、和歌や俳句など、月を詠んだ作品は本当に数が多い。ユニークなところでは、月に関する回文(上から読んでも下から読んでも同じ)を紹介したい。江戸時代につくられたもので、よくできている。

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