世界の福本豊〈プロ野球“足攻爆談!”〉「足を踏んだ丸は惨敗巨人の象徴」 (2/2ページ)

Asagei Biz

 一塁への全力疾走も、ソフトバンクのほうができている。だけど、この当たり前のことができないチームがほとんど。シーズン前には全力疾走を目標に掲げても、最後まで貫くのは難しい。ソフトバンクはデスパイネやグラシアルの外国人でさえ、凡打でも一生懸命走っている。一塁走者になった時も右前安打でしっかり三塁まで進めているので、一、三塁の理想的な形が作れる。周東のような俊足でなくても、必死に走ったら前の塁を狙うことができるという証明や。こういう野球を見ていると、ヤクルトから移籍したバレンティンが出場できない理由がよくわかる。

 僕らの現役時代はONが引っ張る強い巨人を倒すのがいつも目標やったけど、今は完全にソフトバンクが球界の盟主となった。日本シリーズ12連勝で、あの巨人のV9以来、2チーム目の4年連続日本一。打つ投げるだけでなく、走塁も守備もしっかりしているし、ほんまにスキがない。選手層が厚いから、手を抜いたプレーをしていたら、代わりの選手がいくらでも出てくる。二度と実現しないと思われていたV9も、ソフトバンクならと思ってしまう。このチームを倒すのは並大抵のことではない。

福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。

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