知らない人も多い。「本末転倒」の正しい意味 (3/3ページ)
「本末転倒」との共通点は、「順序を誤る」というところ。
四字熟語で「削足適履(さくそくてきり)」いう言葉もあります。
☆例文
・社会に出た時にルールを守れる大人を育てたいという趣旨は分かるが、厳しい罰則におびえて生徒の個性や自由が侵害されるようなら、靴を度りて足を削るがごとくだ。
◇「角を矯めて牛を殺す」
「矯めて」は「ためて」と読みます。
牛の曲がった角を真っ直ぐに矯正しようとしたために、牛が弱って死んでしまうことから、小さな欠点を力ずくで直そうとして、かえって全体を台無しにしてしまうことをいいます。
☆例文
・枠にとらわれない斬新な発想が彼の持ち味だったのに、全てに予算ありきで企画を練らせるものだから、角を矯めて牛を殺すことにならないかと心配だ。
◇「葉を欠いて根を断つ」
枝葉を切って大事な根まで駄目にしてしまうことから、小さな欠点を取り除こうとして根本を駄目にしてしまうことをいいます。
同じような四字熟語に「釈根灌枝(しゃくこんかんし)」があります。
☆例文
・テレワークが始まってからというもの、本部が策定した細かいルールによって社員間のコミュニケーションがうまく取れなくなっているのは、葉を欠いて根を断つようなものだ。
◇「舎本逐末」
「しゃほんちくまつ」と読み、「本(もと)を舎(す=捨)てて末(すえ)を逐(お)う」という意味です。
ささいなことだけに関心を向けて、本題の重要な部分をおろそかにすることをいいます。
☆例文
・彼は仕事の合間にスマホで株価のチェックばかりしている。副業が気になるのは分からないでもないが、本業に身が入らなければ、舎本逐末も甚だしい。
■本質を見極めることの大切さ
今回は、「本末転倒」について解説しました。
この言葉を日頃からよく見聞きするということは、普段の生活やビジネスの両面において私たちがいかに本質を大切にしようとしているかを物語っています。
「本末転倒」という言葉の用法はもちろんですが、慣れ親しんだ言葉の奥深さを知ることは、本質を見極める力を磨く小さなきっかけともなりそうですね。
(前田めぐる)
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