あまりの恥ずかしさで…古典「常陸国風土記」より、ピュア過ぎたカップルの恋愛エピソード (2/3ページ)
(よーし!絶対に彼女をゲットするぞ!)
郎子は会場の常陸国香島郡(現:神栖市)まで遠路はるばるやって来て、さっそく嬢子にこんな歌を贈りました。
いやぜるの 安是(あぜ)の小松に 木綿(ゆふ)垂(し)でて
吾(あ)を振り見ゆも 安是小島はも【意訳】
松の枝に目印の木綿を垂らして、私が気づくよう振ってくれているから、多くの女性の中がいる中でも、可愛らしいあなたに気づけましたよ。
歌を贈られた嬢子の方も彼を気に入ったようで、喜んで返歌を贈ります。
潮(うしお)には 立たむといへど 汝夫(なぜ)の子が
八十島(やそしま)隠り 吾(あ)を見さ走り【意訳】
たくさん女性がいる中から私を見つけ、まっしぐらに駆け寄ってくるあなたは、きっと運命のパートナーに違いありません。
こうなったらもう話は早い……二人は手に手を取り合って会場を離れ、一目につかない暗いところで、ほとばしる情熱のまま……何をしたかは、ご想像の通りです。きっと。
我に返った翌朝、二人は恥ずかしさのあまり…。そして朝チュン。雀たちの声で目覚めた二人は、昨夜の「お楽しみ」を思い出しては、嬉しいやら恥ずかしいやら。
「いや、あの……」
「うふふ……」
しばし見つめ合う二人でしたが、ふと我に返ると、一糸まとわぬ素っ裸であったことを思い出します。