初期の人類は冬眠をしていた可能性。遺跡でその痕跡を発見(スペイン研究) (3/3ページ)
さらにシマ・デ・ロス・ウエソスでは冬眠中だったアナグマ(Ursus deningeri/絶滅種)の遺骨も発見されており、人間もまた同じことを行っていたという仮説に信憑性を与えているとのことだ。

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・現代のイヌイットが冬眠しない理由は?
この仮説に対しては、現代のイヌイットやサーミ人はスペインの祖先たちと同様、過酷な寒さの中で暮らしているが、冬眠などしないと反論できるかもしれない。
研究グループはこれについて、イヌイットやサーミ人は冬の間に脂肪を豊富に含む魚やトナカイを食べることができるので、あえて冬眠する必要はないのだと説明する。
50万年前のイベリア半島は乾燥しており、そのような食料に恵まれなかった。だから当時そこで暮らしていた人々には冬眠が必要だったのだそうだ。
・現時点では仮説の段階。ゲノム研究で真相が明らかになるかも
ロンドン自然史博物館のクリス・ストリンジャー氏は、クマのような大型哺乳類は厳密には冬眠しているわけではないとコメントする。
同氏によると、そうした哺乳類は体が大きすぎて、中核体温を十分下げることができない。そこで、冬眠の代わりにそれよりやや眠りが浅い「トーパー(鈍麻状態)」という状態になる。しかし、人間のような脳では、トーパーになったとしてもエネルギー需要は相変わらず大きく、別の生存上の問題に直面するだろうという。
冬眠仮説の真偽については、シーマ人やネアンデルタール人などのゲノムを分析し、トーパーに起因する遺伝的な痕跡があるかどうか調べることで明らかにできるかもしれないとのことだ。
References:theguardian/ written by hiroching / edited by parumo