新型コロナウイルスの全症例をゲノム解読、世界をリードして変異種に備えるアイスランドの予防対策 (2/3ページ)

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NIAID/Wikimedia Commons/CC BY 2.0

 こうした取り組みは、感染症の流行具合を判断する重要な指標になり、状況に応じた的確な感染防止策を講じる手助けをしてくれる。

 たとえば、昨年9月半ばから始まった感染拡大の波は、当初フランスからやってきた観光客のウイルスではないかと疑われていた。

 しかし解読結果から、実際にはパブの利用客が大きな原因になっていることが明らかになり、これを受けて保健当局は、首都にあるバーやナイトクラブの営業禁止に踏み切った。



・世界をリードするアイスランドのゲノム解読

 イギリス、デンマーク、オーストラリアなど、ほかにも同じ試みを進めている国はあるが、アイスランドほどのレベルには達していない。

 日本でも先日、海外に滞在歴がなく感染者との接触も確認されていない静岡県の男女3人が英国で流行中の変異ウイルスに感染していたことが報じられた。

 これは1か所の保健所の検体を全て調べた結果明らかになったそうで、静岡県では今後全ての保健所に対して検体の分析を行うという。

 アイスランドが世界トップレベルのウイルスゲノム解読を行えているのは、「deCODE Genetics」というゲノム解読の専門機関の存在が大きい。

 1996年に設立された同研究所は、これまで最大規模の遺伝子研究を行ってきたことで知られている。
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