執着するから結果が出ない 異色の広告マンが語る仕事の極意 (2/3ページ)

新刊JP

がんばらないというやり方もあるのにがんばってしまうという性質があるのを承知したうえで、じゃあどうやって働いて、生きていくのかを考えるには、世の中の仕組みや成り立ちを理解する必要があるんです。

要するに、世の中はこういう風に回っているんだ、とか、人間にはこういう性質があるんだということが理解できていれば、変にがんばらなくて済むという。これは一つの智恵です。こういった意味を込めて、この本のタイトルをつけました。

――「執着しない」というところだと、元井さんがかつて在籍していた電通には「鬼十則」という仕事の教えがあって、その一つに「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。」というものがありますね。元井さんの考えはその教えと対極です。

元井:私は電通の教えには昔から大反対でしたからね(笑)。

――がむしゃらに突き進むのではなく、しなやかでスマートな仕事術だと感じました。元井さんがこうした働き方の大切さに気付いた転機のようなものがありましたら教えていただきたいです。

元井:もともと、子どもの頃から「がんばれ」とか「これはがんばるものだ」と言われたことを闇雲にがんばる感じではなくて、がんばることの目的を把握して、勝算を考えて、いけそうならがんばるというタイプだったんです。自分の性格とか環境を読んで、いけそうだと思ったらがんばるけど、そうでないところではがんばらないといいますか。

たとえば「宇宙飛行士になりたい」と思ったとして、なれるかなれないかわからないじゃないですか。そこで「実現できるかどうかわからないけど、がんばってみる」というタイプではなかったですね。

――クレバーな子どもだったんですね。

元井:クレバーというか、無駄なことはしたくなかったんです。

――そういう生き方・働き方というのは、会社員時代に普通に周りから反発されることもなくできていたのでしょうか。

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