香取慎吾『アノニマス』絶賛!木村拓哉、星野源もカマした「起死回生の一手」大成功

1月25日、香取慎吾(43)主演のドラマ『アノニマス〜警視庁“指殺人”対策室〜』(テレビ東京)の第1話が放送された。初回の世帯平均視聴率は7・3%。低めに思えるが、テレ東の月曜22時枠では初回視聴率歴代最高1位を更新。順調な滑り出しとなった。
「香取にとって、16年末のSMAP解散以降で初めてとなる地上波連ドラであることや、33年ぶりのテレ東ドラマ出演であることも注目されていました。ドラマ内で、香取は元警視庁捜査1課刑事の万丞渉(ばんじょう・わたる)を演じましたが、これまでの香取とは違った、クールな演技は新境地でしたね」(女性誌記者)
劇中での香取はほとんど仏頂面。初回から「くだらないのは、お前の発言だ」と新米刑事に毒づいたり、犯人に「お前はこの指一本で、一人の人間を殺した。その罪は一生消えない……!」と静かに怒ったりと、終始テンションは低めながら、熱さも感じさせる優秀な刑事を演じており、これまで固定されつつあった「明るくハイテンションな慎吾ちゃん」のイメージを、見事にひっくり返すことに成功した。
■「慎吾ちゃん」を封印!
「香取本人も、1月24日開催のオンライン記者会見で、世間の“慎吾ちゃん”イメージを封印していると語っているほか、“自分の素に近いところもあるからやりやすい”としています。香取はSMAPでは最年少だったことや、演じてきたのも『西遊記』(フジテレビ系)の孫悟空や『忍者ハットリくん』のように、よくも悪くもコミカルなキャラが多かった。これは俳優・香取のイメージを変える絶好の機会ではないでしょうか」(前出の女性誌記者)
香取は19年の映画『凪待ち』で、非常に荒んだ、自堕落な中年男を演じたり、20年には三谷幸喜脚本のシットコム『誰かが、見ている』(Amazonプライムビデオ)で、終始超ハイテンションでマヌケな人物を演じたりと、演技者として新たな境地を開拓しつつある。
「今回の『アノニマス』について《いつもとは違う香取慎吾の魅力がある》《今までと違う役柄の慎吾が楽しみ!》《万丞渉は本当に香取慎吾なのだろうか…。》と、香取の新しい魅力に気付いた視聴者も多くいたことがSNSで分かります。ちなみに“#アノニマス”は日本でツイッタートレンド1位を記録したほか、総ツイート数は15万を超えたそうですよ」(前同)
■警察モノは役者のイメージを変えやすい
水谷豊の『相棒』(テレビ朝日系)や、古くは『太陽にほえろ!』や『あぶない刑事』(いずれも日本テレビ系)のように、警察ドラマは手堅いだけでなく、今回の香取のように、役者に根付いたイメージを覆すためには向いている場だという。
「最近では20年1月に前後編で放送され、21年1月にも続編が放送された木村拓哉(48)主演の『教場』シリーズがいい例です。木村には“何をやってもキムタク”という評価がついて回り、“マイペースでちょっとチャラいけど、最後は決めてくれるカッコいいお兄さん”という役が多かった。
しかし、『教場』で木村が演じたのは、白髪に義眼という強烈なビジュアルにくわえ、終始突き刺すような視線の冷徹な鬼教官・風間。従来の“キムタク”とは違う渋いカッコよさを見せましたよね」(専門誌記者)
また、20年の『MIU404』(TBS系)も、16年の『逃げるは恥だが役に立つ』(前同)以降の星野源(39)の“優しいお源さん”のイメージをガラッと変えることに成功した。『MIU』での星野は、優秀だが過去の“相棒殺し”がきっかけで自分も他人も信用せず、自分の命を軽んじている刑事・志摩を演じ、続編を望む声も多い。
■続編の可能性も
また、警察モノは、続編を作りやすい、というメリットもある。代表的な例は、00年にスタートしてから現在に至るまで、全19シーズンがほぼ毎年放送されている『相棒』や、主演の藤田まことが亡くなるまで88年~09年まで全444話制作された『はぐれ刑事純情派』(テレビ朝日系)が挙げられる。
「警察モノは、1話完結で事件と犯人を変えればいくらでも話を作れることも、シリーズ化のしやすさに繋がっているのでしょう。『アノニマス』第1話は、1話完結の裏で少しずつ黒幕が動いたり、主人公の過去が掘り下げられたりする展開に期待させるラストでしたが、これについても、別の仲間や、新たな連続事件を掘り下げる展開なら続編の可能性は大いにある。香取主演でシリーズ化ということもあり得るのではないでしょうか」(前出の専門誌記者)
33年ぶりのテレ東ドラマで、新たな魅力を見せた俳優・香取慎吾。『アノニマス』が新たな代表作となるかーー。