開発、愛嬌、玄関…あれもこれも!?仏教が由来になっている日本語たち

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開発、愛嬌、玄関…あれもこれも!?仏教が由来になっている日本語たち

さて、少し前に仏教由来の和食について紹介しました。

“懐石“という言葉は仏教由来?仏教と茶道の影響を受けた和食文化

そこで今回は、私たちが日常的に使っている言葉の中から、仏教が由来となってる言葉をいくつかご紹介させていただきます。

開発:新しい技術や製品を実用化することや、 知恵や能力などを導きだし、活用させることなどを意味する「開発」。この言葉は元々仏教徒の間で使われていた言葉でした。そもそも仏教では「開発」と書いて、「かいほつ」と読み、心を開いて仏を求める「発心」を起こすことを指していました。

大衆:「多くの人々」を指すこの言葉も、もともと仏教では「だいしゅ」と読み、仏教に帰依した多くの僧侶のことを指す言葉でした。また、平安時代以降は、僧兵のことをさし、やがて僧一般のことを指すようになりました。それが転じて、現代のような意味になったといいます。

蒲団:鎌倉時代に中国より禅宗と共に伝来した蒲の葉を丸く編んだ座禅用の敷物。室町時代ぐらいから蒲の穂や綿を布で包んだものを「蒲団」と呼ぶようになったそうです。現在でもよく使われている「布団」、こちらは当て字だとか。

愛嬌:元々は「愛敬」と書き、仏教では「あいぎょう」と読みます。如来や菩薩の柔和で慈悲深い相を「愛敬相」なんていっていたことに由来するようです。

観念:仏教の「観想念仏」を縮めた言葉。「観」は古代インドのサンスクリット語“vipasyana”を漢訳したもので、「知恵をもって観察する」という意味。また、「念」は“sumrti”がもとになっていて、こちらは「心に思うこと」を意味します。

玄関:これは中国『老子』の一節「玄の又玄なる衆の妙なる門」から来ています。玄の又玄なる衆の妙なる門とは、「奥深いところに入る門」を意味していますが、それはやがて寺院の門そのものを指すようなりました。そして現在のように建物の主要な出入り口のことをいうようになったようです。

さて、いかがでしたでしょうか。今回は仏教由来の日本語6つを紹介させていただきました。由来をすでにご存じの言葉もありましたかね~⁉

もちろん、この他にも、日本語にはまだまだ仏教由来の言葉が多くあります。日常で自分が何気なく使っている言葉、ひょっとしてこれも仏教から来た言葉なのでは?と考えてみるのも楽しいかもしれません。

反響があるようでしたら、他にもご紹介していきたいと思います。

参考:日本語倶楽部 『この言葉の語源を言えますか?―当然のように知っておきたい日本語』(2002 KAWADE夢文庫)

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