【徹底検証】映画『えんとつ町のプペル』を偏見ゼロでレビュー! 評価できる3つのポイント (2/3ページ)
有名なところで言えば、『ダウンタウン』松本人志監督の『大日本人』や『しんぼる』は吉本興業製作の映画だ。過去にはよしもと芸人100組が自ら監督となり、短編映画を製作する『YOSHIMOTO DIRECTOR’S 100 ~100人が映画撮りました~』という企画もあり、芸能プロダクションとしては異例の「タレント自身を監督にする」試みを行ってきた。
しかし、その多くが「コントの延長線上としての映画」感が拭えず、セールス的にも大成功というほどの結果には繋がっていない。あくまでお笑いファンに向けて作られた映像作品ばかりだと言える。
だが今作において西野は、自身の芸人としてのセンスは完全に封じ、子ども向けの作品を作り抜いた。芸人主導の映画で陥りがちな、押しつけがましい笑いや人間の泥臭い悲哀などは完全に省き、エンタメ作品として完成させる…。商業映画としては当たり前のように思えるかもしれないが、「吉本興業製作の芸人主導の映画」における重要なタームポイントであることは見逃してはならないだろう。
ポイントその2『国産3DCGアニメであること』「えんとつ町のプペル」は一見すると手書きアニメーションのように見えるが、実はフル3DCGアニメの作品。3Dを手書きアニメのように見せる「セルルック」という技法を使い、ポップな画面と生き生きとした立体的なアニメーションを同居させている。しかし、日本の映画市場で「国産フル3DCGアニメ」というスタイルが成功しにくいことはご存知だろうか?
海外ではディズニーやピクサーをはじめ、アニメ映画のほとんどが3DCG主体で作られている。だが国内産の3DCGアニメでは、2001年の『ファイナルファンタジー』が140億円近くの赤字を出して大失敗。ほぼ国内初と言えるフル3DCG映画が記録的なコケ方をした影響で、「3DCGアニメは売れない」というジンクスが生まれてしまった。それからおよそ20年近くの歳月が流れたが、国内産3DCGアニメのヒット作と言えるのは唯一、興行収入83.8億円を記録した山崎貴監督の『STAND BY ME ドラえもん』のみ。それ以外の多くの3DCG作品は、目立った売上を出せずに終わっている。