古代の航海は命がけ!「魏志倭人伝」に見る安全祈願の奇習「持衰(じさい)」を紹介 (3/4ページ)
【意訳】
倭国の者たちが海を渡って中国(魏王朝)へあいさつに行く時、一人を選んで航海中は以下のようにさせる。
一、頭髪を整えず、シラミが湧いても放置。
一、衣服は洗わず着替えず、汚れたままとする。
一、肉類を食わない。
一、女性を近づけない。
まるで喪に服しているようだが、これを持衰(じさい)と名づけている。
もし航海が無事に終われば、奴隷(あるいは罪人)であれば解放し、財物など褒美を与えるが、もし疫病が蔓延するなど航海に不都合(暴害)があった場合、持衰の謹慎が不十分であった責任をとらせてこれを殺す。
要するに航海安全の願をかけた精進潔斎(しょうじんけっさい)といったところで、上手く行けば褒美を与え、失敗すれば(神様への生贄or八つ当たりに)殺すという神頼みだったようです。
もちろん、こんな運任せな役目を志願する者はいなかったでしょうから、きっと(殺しても惜しくない)奴隷や罪人などを連れてきて任に当たらせたものと考えられます。
終わりに「おい……お前、あの船に乗るか?」
「……どこへ行くんだ?」
「大陸へ渡るのさ。往復の航海が上手くいけばお前は釈放、当分暮らせるだけのカネもやろう」
「……そんな旨い話、ノーリスクな訳はないよな?」
「いかにも……もし航海中、何かトラブルがあったらお前を殺す。