火星環境を再現し藻類を育てることに成功。火星での自給自足が実現できる可能性 (2/3ページ)

火星 / Pixabay
・火星の環境を再現し藻類を育てることに成功
そこで研究グループが採用したのは折衷案だ。火星に似た低さでありながらも、藍藻が成長できるだけの気圧をバランス良く作り出すというアプローチだ。
開発された藍藻培養システムは「ATMOS(Atmosphere Tester for Mars-bound Organic Systems)」と呼ばれている。この中なら、火星に近い低い気圧ながら藍藻はすくすくと成長することができる。
優れているのは、必要なあらゆるリソースを火星で現地調達できる点だ。窒素と二酸化炭素は、火星の大気中に豊富にある。水は氷から集めることができる。リン・硫黄・カルシウムといった栄養素は「レゴリス」(地球型惑星や月をおおう塵)から手に入る。

credit:C. Verseux / ZARM
ATMOSの中に窒素と二酸化炭素を充満させ、地球の10分の1の気圧しかない大気を作り、火星のレゴリスを再現した模擬砂でアナベナ(Anabaena sp. PCC 7938)を育ててみたところ、一般的な培地には劣るものの見事成長してくれたそうだ。
また成長したアナベナで培地を作って大腸菌を培養してみたところ、こちらも無事成長したとのこと。
これはアナベナから糖やアミノ酸といった栄養を取り出せるという証であるそうだ。ちなみにこちらの大腸菌もまた、火星での食料や薬の生産に利用できる可能性がある。