ナミブ砂漠に点在するフェアリーサークルの謎、その正体は植物の出す毒にあるとする新説が登場

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ナミブ砂漠に点在するフェアリーサークルの謎、その正体は植物の出す毒にあるとする新説が登場
ナミブ砂漠に点在するフェアリーサークルの謎、その正体は植物の出す毒にあるとする新説が登場

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 アフリカ大西洋側に広がるナミブ砂漠には「フェアリーサークル(天使の輪)」と呼ばれる、不思議な光景をみることができる。

 砂漠の中にも草原地帯はあるのだが、その中に植物の生えないむき出しになっている謎の地帯が点在しているのだ。それは直径2~15メートルほどの円を描いており、あのミステリーサークルを思わせる。

 なぜこんな現象がおきているのか?これまで、「シロアリ説」や「気候説」など、さまざまな仮説が提唱されてきた。

 一方、ナミビアのヒンバ族には、地下で毒の息を吐く竜の仕業という伝承が伝わっているが、最新の研究によると、どうもこの伝承はあながち間違っていなかったようだ。

 というのも『BMC Ecology』(20年8月3日付)に掲載された研究によれば、フェアリーサークルの輪を作り出しているのは猛毒の液体を出す植物の可能性があるという。
・犯人は有毒な液体を分泌する植物か?

 南アフリカ・プレトリア大学のマリオン・メイヤー教授は、7年間も砂漠のフェアリーサークルの解明に取り組んできた人物だ。これまで土壌に含まれる化学物質や生物毒、あるいは地理的な要因など、さまざまな角度から分析を行なってきたという。

 同教授が真犯人と睨んでいるのは、トウダイグサ科の「ユーフォルビア・グレガリア(Euphorbia gregaria)」種の植物だ。この多肉植物は、枝から粘り気のある白い乳液を分泌することから、地元ではミルクブッシュと呼ばれている。

 ミルクといっても気をつけなければならない。非常に有毒で、何かの拍子に目に入ってしまえば失明の恐れすらあるからだ。

 人間以外にも危険な物質だ。これがたっぷりと含まれている地面には、ほとんど植物が生えないのである。

ユーフォルビア・グレガリア
ユーフォルビア・グレガリア credit:Ragnhild&Neil Crawford / WIKI commons

・気候変動も関与している可能性

 メイヤー教授らによると、ユーフォルビアが砂漠に進出したのは、今よりも気候が繁殖に適していた時代のことだと考えられるという。

 しかし砂漠では水がすぐに吸収されてしまうので、水や栄養の獲得競争が激しくなる。しかもナミビアでは、ここ2、30年、世界平均のほぼ3倍も気温が上昇した。暑くなるにつれて、生存競争はさらに激化。多くの植物が枯れてしまった。

 枯れたユーフォルビアは、ネバっとした撥水性の乳液を残し、そのために砂は水を弾くようになる。それだけでなく、毒や抗菌作用のある化合物、さらにはアレロケミカル(他の植物の成長を抑える物質)まで流出する。

 毒などの化合物は比較的短時間で分解されるが、乳液だけは砂に固まってこびり付き、いつまでも残る。そして形成されるのが草木も生えない不毛な円形の大地だ――。


The Mysterious Fairy Circles of Africa

・フェアリーサークルが消える時

 フェアリーサークの中では絶対に植物が生えないわけではなく、雨が降ったあとに植物が発芽することもあるという。しかし生きられるのは短期間だけだ。

 ユーフォルビアの種すら、そこでは生き残ることができない。水が根が届く範囲よりもずっと深く吸収されてしまうからだ。

 だがそんなフェアリーサークルも永遠ではない。数十年か数百年もすれば、ときたま降る雨によってきれいさっぱり毒物が洗い流される。

 このことは、ユーフォルビアの種がそれだけの長期間に耐えられるということでもあるそうだ。

References:Africa's fairy circle mystery is finally solved in new study - DUK News/ written by hiroching / edited by parumo
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