重力で時空を歪ませる新しいワープ航法の理論モデルが発表される。物理法則的には可能 (2/3ページ)

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アルクビエレのワープドライブにおける時空の膨張と収縮 credit:AllenMcC. / WIKI commons

・負のエネルギーではなく、重力を使う

 だがこのアイデアには、負のエネルギーを大量に必要とするという問題点があった。

 負のエネルギーは量子スケールの変動の中にのみ存在する。アルクビエレ・ドライブを実現するには、太陽の質量に匹敵するエネルギーを集めなければならない。これは現代の物理学ではまず不可能なことだ。

 そこでスウェーデン、ルンド大学をはじめとするチームは、この問題を回避するために、重力で時空を曲げればいいと提唱している。

 これならば多少速度は低下するかもしれないが、負のエネルギーを使わなくてもアルクビエレ・ドライブを実現できるという。

新しいワープ航法
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・質量を圧縮して殻に閉じ込め1年を1時間の時間の流れに

 しかし重力で時空にはっきり認識できるような作用を引き起こすには、少なくとも惑星クラスの質量が必要になる。

 研究グループが想定しているのは、地球ほどの質量を圧縮して10メートルくらいの殻に閉じ込めることだ。すると殻内部では1年が1時間くらいの時間の流れになるそうだが、そのための技術は今のところ不明だ。

 面白いのは、アルクビエレ・ドライブに適した宇宙船の形状だ。
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