バッタの耳を使って聞くことができるデバイスが開発される (2/2ページ)
たとえば研究で紹介されているロボットは、パンッと一回手を鳴らせば、一瞬の間を置いて前進するし、2回ならバックしてくれる。
音でロボットを操作する実験 credit:Credit: Tel Aviv University
・生物の体を使った技術の可能性
だが、なぜあえて最新のマイクではなく、バッタの耳をセンサーにしようなどと思ったのだろうか? バッタの耳はそこまで優れているのか?
じつはそこはあまり問題ではない。というのも、この研究の目的は、生物システムの技術的な応用可能性を広げることにあったからだ。
つい昨年も生きたバッタを利用して、爆発物を探知するサイボーグバッタが作り出されたのは記憶に新しい。
現代技術は驚異的な発展を遂げたが、気の遠くなるような進化の果てに発達してきた生物の体に比べればまだまだだ。
たとえば人間の脳は、宇宙最高の情報処理ユニットでありながら、電球よりも少ないエネルギーで動作している。また、たった1グラムのDNAには215ペタバイト(2億1500万ギガバイト)ものデータを保存することができる。
生物の体にこれほどの性能があるのならば、それを拝借しない手はないではないか。生物を模倣するバイオミメティクスや生物そのものを利用する新たなる技術は今後もどんどん生み出されることだろう。
References:A world first: A robot able to "hear" through the ear of a locust | EurekAlert! / written by hiroching / edited by parumo