バッタの耳を使って聞くことができるデバイスが開発される (1/2ページ)
生物の構造や機能を模倣したり、生物そのものを利用した技術開発が盛んにおこなわれている。最近注目されているのは昆虫を使った技術だ。
イスラエル、テルアビブ大学のグループが開発した「イヤー・オン・ア・チップ」という音声検出デバイスには、バッタの耳が搭載されており、耳だけを生かし続けて音声センサーとして利用することができるという。
近い将来、バッタの耳をもったロボットが誕生するかもしれない。
・バッタの耳を切り離しチップに搭載したデバイス
バッタにも耳がある。人間とは違って顔の横ではない。その翅の下、後ろ足のつけ根あたりに立派な耳が隠されているのだ。
ついている位置こそ違うが、その耳は人間と同じく鼓膜で空気の振動をキャッチして、音を検出している。
『Sensors』(1月1日付)に掲載された研究では、バッタから耳だけを切除し、それをチップの上に搭載したデバイスが紹介されている。
バッタの耳は生体だ。だからバッタから取り除いてしまえば、いずれ死んで腐ってしまう。しかしイヤー・オン・ア・チップは、酸素と栄養を供給できるようになっており、耳だけを生かし続けて音声センサーとして利用することができる。
チップ内のバッタの耳 credit:Credit: Tel Aviv University
・バッタの耳を持ったロボットを音で操作
イヤー・オン・ア・チップは、バッタの耳がキャッチした音声を増幅して、その信号をロボットに伝える。
これを利用すれば、音でロボットを操作することだってできる。