世界の福本豊〈プロ野球“足攻爆談!”〉田口の電撃トレードは原監督の余裕 (2/2ページ)

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 それに加えて、田口がもたらす情報を活用できることになれば、チームにとって大きなプラスになる。巨人バッテリーがミーティングでどういう攻略法を話し合っていたかをヤクルトの打者に伝えれば、思わぬ発見をする選手も出てくるはず。巨人に移籍する廣岡にしても同じことやけど、そういう情報漏れも同一リーグでトレードが少ない理由のひとつ。そういえば、阪急も同一リーグの南海から山本忠男コーチを78年に引き抜いたことがある。当時の上田利治監督は「どういう分析をしていたのか」「どういうサインを出していたのか」など、根掘り葉掘り聞いていた。

 それにしても原監督は今回のトレードを見る限り、投手力には相当な手応えがあるのだと思う。言うまでもなく、エースの菅野が残留したのは大きい。DeNAからFAで井納も加わり、確かにローテを狙える若い投手の層も厚い。田口が一人抜けたところで戦力的には何とかなるし、間違ってもヤクルトより下の順位になることはないという余裕を感じる。それと、獲得する廣岡にも大型内野手としての魅力があるということ。23歳と若く、坂本、岡本という球界を代表する右打者のお手本もいる。一気に才能が花開き、グラウンド外の原マジックが成功するかもしれない。

福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コーチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。

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