冷戦時代の極秘ミッションで保管されていた氷が解き明かしたグリーンランドの過去の秘密 (2/3ページ)
葉からはろう分の痕跡が検出されており、グリーンランドに今も生えているツンドラ生態系のものと似ていることも判明したという。
氷の中に入っていた植物の化石 credit:hrist et al.,PNAS,2021
・氷に閉ざされたグリーンランドはかつて、緑豊かな時代があった
今日のグリーンランドは、170万平方キロと日本の4.5倍近い範囲が氷におおわれた凍てつく世界だ。
しかし氷に閉じ込められていた植物は、過去数百万年のどこかの時点で、グリーンランドに植物が生い茂る氷のない時代があったことを示している。そうした時期はおそらく数十万年は続いていたという。
研究グループの1人、米バーモント大学のアンドリュー・クリストファー博士は、氷のサンプルはグリーンランドが氷に閉ざされる前のタイムカプセルのようだと語る。
「普通、氷床はその途中にあるものを粉々に壊してしまいますが、私たちはそこから繊細な植物構造を発見できました。化石ですが、まるで昨日枯れたかのようです」
credit:Joshua Brown / UVM
・グリーンランドの氷は加速的に失われ続けている
かつて温暖な時期があったという事実は、グリーンランドの氷は温暖化に対して脆弱である可能性が高いということになる。
グリーンランドにある氷は、完全に解けてしまえば海面を7メートルも上昇させられるだけの量だ。これが実際に起きれば、沿岸部で暮らす人々には甚大な影響がもたらされることだろう。