『ボス恋』グランドフィナーレ!それぞれが幸せを勝ち取った最終回

日刊大衆

※画像は『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』公式サイトより
※画像は『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』公式サイトより

ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)の10話は、仕事をする楽しさと未来への希望を見せてくれた幸せな最終回となった。仕事も恋も上手くいくハッピーエンドに幸福感が詰まっていた。

■潤之介が夢をあきらめないでよかった

 10話になって、宝来グループを継ぐことを決めて取引先への挨拶や接待をこなしている潤之介(Kis-My-Ft2玉森裕太/30)が、どうも楽しそうに見えない。慣れない仕事がつらいとか緊張しているとかではなく、ただこなしているような感じに見えた。意欲的になれないのは、やっぱりカメラマンとしての仕事が好きだったからだろう、笑っていても上辺だけの薄い感情に見えた。

 それは潤之介のアシスタントとして一緒に仕事をしてきた尾芦(ミキ亜生/32)も同じで、潤之介の作品や仕事道具一切を廃棄することが出来ずレンタルルームに保管していたのが泣ける。尾芦は誰よりもそばで潤之介の仕事を見てきた人であり、潤之介が持つ表現力や技術に惚れこんでいたのだ。それを見せられた奈未、そして潤之介がどれほど心を震わせただろうか。

 カメラマンは感性と技術で生きていく実力の世界で、同じ被写体でもカメラマンが変われば全く違う写真になる。そんな自分の仕事を身近な人たちが認めてくれて、その世界が広がっていく喜びは何にも代えがたい。父に頭を下げてカメラマンとしての道を選ぶことを伝える潤之介と、後押ししてくれた姉の麗子(菜々緒/32)。

 自分の子に会社を継がせることを切望していた父親が「もったいない」と言うこともなく、ただ二人を優しく抱きしめたことに少々出来すぎ感はあったが、人が羨むような環境で用意された重要なポストよりも、好きな仕事で得る幸せを選んだ潤之介に拍手を送りたい。宝来グループには優秀な人材が豊富な企業なのだろうと思うことにして、潤之介の選択を応援したいと思う。

■奈未の成長と麗子の新しい挑戦に仕事をする楽しさを見た

 麗子が去った『MIYAVI』編集部は大きなトラブルに見舞われていたが、奈未のド根性的な発言で息を吹き返し、逆境をチャンスにしようと活気にあふれていた。奈未の存在が編集部に風を吹かせたのは成長した姿だし、見ていて気持ちがいい。一方、編集長に就任した麻美(高橋メアリージュン/33)は、自分が編集長になったことで広告クライアントの3社掲載辞退というとんでもない状況に編集長辞退を申し出たのが意外だった。

 麻美は麗子を妬んでポストに就いただけの浅ましい人間ではなく、雑誌編集長としての立場やファッション業界に携わる人間としてのプライドと責任を持っていた。思えば麗子のパワハラ記事を書かせたグローバルゼスト社の社長の頭に水をかけていたのを思い出す。麻美の強さと美しさが際立ったシーンだった。

 そして、麗子が『悪魔の微笑み』で副社長の宇賀神(ユースケ・サンタマリア/50)に甘えたのは、新しいオフィスの立ち上げだった。麗子が雑誌にこだわりを持っているのは理解できるし、自分の原点であり永遠の憧れのような存在なのもよくわかるが、雑誌不況時代に自由な発想で紙媒体を制作する環境が整っているとは言い難い。

 出版社にこだわらず情熱を捨てずに新しい取り組みでファッション業界に携わるならば、Web媒体で情報の発信を行うこともできるし、もっと大きくて何か新しい媒体を生み出すかもしれない。麗子なら、それだけの経験と実績を持っているし、成功させるだろう。麗子の気高い生き方と新しい挑戦にワクワクしてしまう。

■奈未にとって幸せとは何か

 音羽堂出版は吸収合併されたが『MIYAVI』は存続しているし、編集部員も継続して仕事をしているという好条件の中で、奈未は編集会議の輪に入って仕事をするまでになっていた。

 まさに、安定した充実した日々といったところだが、退社をして麗子と仕事をすることを選んだ。麗子が新しいオフィスで立ち上げる仕事が何なのかは分からないが「この人と仕事がしたい」「この人となら何でも出来る」と思える存在に出会えたことが何より幸せなことだと思う。

 一日24時間、そのほとんどの時間を仕事のために費やしているならば、信頼する人と一緒に充実した楽しい時間を送りたい。どんな困難が待ち受けていてもこの人となら乗り越えられる、そんな人に出会えた奇跡はめったにないことだ。

 もがきながらも人並みの人生を望んでいた奈未が掴んだのは、信頼できる上司であり人間的にも魅力的な麗子に出会えたことだった。未来への希望を持てる幸せを手に入れたのだ、きっと楽しい毎日が待っている。

 また、潤之介とは遠距離恋愛を3年続けてようやく再会することが出来た。一度は返した指輪も左手の薬指で光り輝いていて、二人の気持ちが離れず延々に続くように感じた。

 これで、仕事と恋に頑張る人たちの物語はハッピーエンドで終了。連続ドラマは終わってしまうが、また数年後の設定で奈未や『MIYAVI』編集部の未来を見せてほしい、そんな幸せな余韻に浸れた素敵なドラマだった。

(文・青石 爽)

『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』は、大手出版社から新創刊される女性向けファッション雑誌編集部を舞台にしたオリジナル脚本。鈴木奈未(上白石萌音)は地方の田舎町で生まれ育ち、普通・人並み・安定を求める平凡な女性。ひょんなことからファッション雑誌の編集部で働くことになり、超ドS上司・宝来麗子(菜々緒)に振り回されたり、子犬系イケメンカメラマン・潤之介(玉森裕太)にキュンとしたりと、仕事に恋に悪戦苦闘しながらも成長していくお仕事&ラブコメディードラマ。1月12日から火曜日22時、TBS系で放送。
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