精子のDNAにはない父親の情報が子供に伝わるメカニズムが解明される(カナダ研究) (2/3ページ)
今回のマウスを使った実験では、「葉酸(ようさん)」が不足した食事によってオスが受けた影響が、精子が持つヒストンの化学的な”修飾”を通じて胎児に伝えられることが実証されている。

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・栄養不足の影響がヒストンを通じて伝達
哺乳類のオスが精子を作るとき、DNAをコンパクトにまとめるために、ヒストンが放り投げられる。
しかしほんの少しだけ残される部分(マウスで1%、人間なら15%)もある。残された部分は、精子の作成・代謝・胎児の発達に関係しているDNAを細胞が利用するための足場となる。
このヒストンが「化学修飾」(もっとも一般的なのは「メチル化」)されると、発現するDNAもまた変化する。不摂生な食事はこうしたヒストンのメチル化状態を変化させるのだ。
カナダ、マギル大学のサラ・キミンズ氏ら研究グループは、オスに乳離れ以降、葉酸が不足したエサを与え続けることで、精子とここから誕生する胎児のヒストンの変化を追跡した。
その結果、精子のヒストンの変化が胎児にも現れることが確認されたという。

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・葉酸が大切な理由
なお葉酸が妊娠した女性にとって大切な栄養素である理由もこれであるそうだ。母体の葉酸には、子供のDNAメチル化を安定させる機能があるという。