『全裸監督2』のヒロイン恒松祐里は下北沢でも北海道でも石巻でも常にラーメンを食らう

日刊大衆

恒松祐里(画像は恒松の公式ツイッター『@Yuri_Tsunematsu』より)
恒松祐里(画像は恒松の公式ツイッター『@Yuri_Tsunematsu』より)

アイドル食堂・第63回 そると

■『全裸監督』シーズン2のヒロインが通う下北沢の名ラーメン店

 アイドルだってメシを食う。このところ昭和や平成前期のスターばかり採り上げたので、ちょっと軌道修正。店から逆引きをし、最も旬な女優を扱ってみる。店とは下北沢のラーメン店「鶏そば そると」、女優とは『全裸監督』シーズン2のヒロインに抜擢された恒松祐里

 1月に公式発表があり、配信開始はともかく年内と決まっている。大注目を集めるに相違ないドラマに、思いきり便乗させてもらうつもりで彼女を選んだ。

 いや、店名通り塩らーめん専門のそるとも、下北では「外さない店」として超人気。13年にオープンした、界隈では若手の店だが、深夜まで営業しており、しっかり飲めもするので、いつ行っても盛況だ。

 初代店長の片岡亨さんはお笑い芸人「大和魂」として活動後、いくつかのラーメン店で修業を積み、阿佐ヶ谷にあった「つけ麺処 三ッ葉亭」などの立ち上げに関わり、イタリア料理店にも勤務した。イタリアンで培った経験から、香味野菜を煮込んだブロード(ブイヨン)を出汁に活かすことを思いつき、あっさりながらも旨味の深いスープを編み出した。

 ジャンクなイメージを持たれがちのラーメンにたっぷりと野菜を用い、トマトや揚げナス、ジャガイモなどのトッピングが選べる。ぼくは三ッ葉亭にもよく行ったが、非常に優しい味のラーメンを出していた。同店もそると同様、高円寺や吉祥寺にあるフォー専門店「チョップスティックス」などを展開するフクモチックの系列。道理でヘルシーなわけだ。

 本来、こうした女性受けを狙ったラーメンは、こってり大好き脂ギッシュ野郎どもには支持されないのだが、濃厚スープの「鶏白湯そば」も用意し、数々のトッピングでボリュームアップもたやすい。鶏そぼろにタレもかかった200円の玉子かけめしの上にラーメンスープをかけ、リゾット風に食べるのもオツだ。黒豚餃子や2個240円から頼める鶏の唐揚げ柚子胡椒風味など、サイドメニューもかなり充実し、酒類は生ビールが380円と良心的で、本格焼酎まで置いている。

 そんな老若男女バランスよく相席する、珍しいラーメン店に恒松祐里は高校時代から通っているというのだ。時々参考にする、朝日新聞のネット媒体「&M」に『おんなのイケ麺』というコーナー(17年から18年にかけて連載)に彼女は登場(17.09.19付)。ベテラン演歌歌手や中堅作家といった顔ぶれの中、当時まだ19歳とピカピカに若い恒松はやたら目立った。

 彼女は「お父さんの得意料理がパスタで、家でよくミートソースやカルボナーラ、ペペロンチーノを作ってくれ」るような温かい家庭に育ち、引っ込み思案を心配した両親の勧めで、7歳で子役オーディションに挑戦。05年のドラマ『瑠璃の島』(日本テレビ系)でデビューした。すでに芸歴15年のベテラン級だが、思春期には大きな役がつかず、“子役あるある”の葛藤も味わったようだ。しかし、果敢にオーディションを受けては這い上がり、見事に女優へとメタモルフォシスを遂げた。

■修学旅行でもロケ先でもラーメン三昧

『おんなのイケ麺』のインタビューから伺えるのは、彼女の麺好きは父だけでなく祖母からの遺伝らしいこと。「秋田のおばあちゃんが稲庭うどんを送ってくれて、毎日食べて」もいるとか。そして、「下北沢で何を食べるか迷ったら『ここ』」とそるとを絶賛する。高校生の頃、「友達とカラオケで何時間も歌った帰りに、よくおなかを満たしに」通ったのだとか。

 そるとは木曜限定で鯛出汁を使った「鯛そば」だけ提供するのだが、「これもおいしくて。今度はセットで『鯛茶漬け』も注文してみたいな」と語る祐里。残念ながらぼくは鯛そば未経験者だ。見た限り具材は通常とあまり変わらない。天下一品のこっさり(こってり+あっさり)のように、鶏出汁と掛け合わせてのハイブリッドも旨そうだが……。

 しかし、彼女のラーメンフリークぶりはちょっとぶっ飛んでいる。アイドル系ネット媒体「HUSTLE PRESS」の18年7月の取材でも、「高校時代最大の想い出は北海道への修学旅行」だとし、こんな話をした。

「一眼レフのカメラを持っていったんですけど、ラーメンばかり撮って、全部茶色の写真になりました(笑)」

 そるとが一推しのくせに、塩ラーメンは喰わんかったんかい! ということは、函館はコースになかった? 一昨年の香取慎吾主演の映画『凪待ち』で、香取の恋人の娘役を演じ、若き実力派ぶりを知らしめた恒松。香取らと食事に出た際、ロケ地の石巻市民が送り迎えしてくれたことに感激した様子だが、その時も「ラーメン屋さん」に行ったという。

 演技力もだが、顔立ちにも個性が表れてきた恒松。シャープな面差しの、いそうでいない美女優として将来が楽しみだ。なんでも、『全裸監督』では黒木香と並び、ダイヤモンド映像を代表するもう一人のAV女優、乃木真梨子を演じるという。黒木役の森田望智は大胆な艶技に挑み、「女優魂を見せた」と大評判になった。きっとそれ以上の話題となるだろう。

 なぜかって? 乃木は村西とおるに「誰にも渡したくない。渡すくらいなら会社を倒産させる」と言わしめた存在。村西以外と絡んでおらず、2年の活動期間の後に二人は結婚し、惜しまれながら引退した伝説の女優こそ乃木なのだ。恒松も「オファーを頂いた時は本当に驚き、沢山悩みました。でも怖いとか逃げたいよりも、やりたい。逃したく無い。が勝ちました」と抱負を語っている。

 一方で、彼女は今春のNHK朝の連続テレビ小説おかえりモネ』でも、保育園からヒロインといつも一緒の一番の幼なじみという重要な役で登場する。さっぱりとしながらコクのある、この演技力の幅が生まれたのにも、せっせとラーメンを食べ較べてきた効果かもしれない。

(取材・文=鈴木隆祐)

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