人間が死んだあと、脳内で活発に活動する「ゾンビ遺伝子」が発見される (1/3ページ)
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死は絶対である。我々はいつの日か必ず死ぬことが生まれた時に定められている。だが、生と死の境界は意外と曖昧なのかもしれない。
医師によって死が診断されたそのときから、脳中で活動を開始し、細胞の成長を促進するゾンビのような遺伝子が存在するという。
人は死ぬと、血液による酸素の循環がなくなり、体内の細胞は急速に活動を停止する。だが死亡後に活性化し脳細胞の成長を促進させるゾンビのような遺伝子が存在することは、2016年のマウスとゼブラフィッシュを使った実験で明らかになっていた。
その時、ゾンビ遺伝子が人間の体内にも存在する可能性が示唆されていたのだが、今回の研究によりそれが明確になったようだ。
・死の直後、人間の脳に何かが起きている
米イリノイ大学の研究グループが調べていたのは、てんかんなどの神経症状のために外科手術で切除された脳細胞だ。
この摘出された直後の”新鮮”な脳内で起きている遺伝子発現のパターンを分析してみたところ、意外なことが判明した。
死後に採取された鮮度の落ちる脳組織と、トランスクリプトーム(特定の状況において、細胞に含まれるmRNAの総体)の数が一致しなかったのだ。それは死んでから数時間のうちに、脳内で何かが変化していることを示唆していた。
研究グループは、それが何なのかを調べるために「死のシミュレーション」を行なってみた。摘出した脳を常温に置き、それから24時間ほど観察してみるのだ。
8割の遺伝子については、その発現に大きな変化は見られなかった。
そうしたものの中には、たとえば「ハウスキーピング遺伝子」がある。