信じ込んでいた偽の記憶を嘘だと気が付かせる方法(ドイツ研究) (1/3ページ)
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記憶はあまり当てにならないものだ。人はいとも容易く偽の記憶を埋め込まれ、ありもしない出来事を自分の体験だと思い込んでしまう。
偽りの記憶が、昨晩のおかずといった他愛のないものならば、さして問題はないだろう。だが、これが裁判のような場所では深刻な事態になる恐れがある。
もし、取調べで偽の記憶が埋め込まれ、それを法廷で証言として用いられてしまったら? これは司法システムの正当性を揺るがしかねない由々しき問題なのである。
これまでの研究で、人に偽の記憶を植え付けることが容易にできることはわかっている。そして今回の研究では、信じてしまった偽の記憶を嘘だと気が付かせることが可能であることがわかったという。
・人はありもしない出来事を簡単に信じ込む
ドイツ、ハーゲン大学の心理学者アイリーン・オーバースト氏らは、被験者52名(平均23歳)に複数回の面接を行なった。
研究グループは面接に先立ち、彼らの両親から被験者の過去に関するエピソードを4つほど教えてもらっていた。そのうちの2つは本当にあったことだが、もう2つはいかにもありそうな偽のエピソードを作ってもらった(交通事故にあった、迷子になった、ペットが死んだなど)。
そして最初の面接で、「ご両親によると、こんなことがあったそうですね」といった具合に質問してみる。
すると被験者の27~56%(質問の仕方によって異なる)が、ありもしない偽のエピソードを実際に起きたことだと信じ込んでしまったのだ。
ここまでは過去の研究でも行われてきたことだ。だが今回の研究で画期的なのは、そうやって信じ込んでしまった偽の記憶を偽であると気づかせることに成功している点だ。