細胞分裂をして成長する人工生命体が誕生 (1/4ページ)
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近い将来、本当に知的な人工生命体が誕生するのではという気になってくる。
人工知能や遺伝子編集技術が急速に発達を遂げている現在だが、今度は実際に成長・分裂する人工細胞が開発されたそうだ。
単細胞生物のような人工細胞「JCVI-syn3A」は、遺伝子がはたす役割をゲノム解析で探求し続けた、数十年にわたる研究の結晶だ。
「私たちの目的は、あらゆる遺伝子の機能を理解し、細胞が活動する完全なモデルを作り上げることです」と、米マサチューセッツ工科大学の生物物理学者ジェームズ・ペルティエ氏は語る。
・人工細胞開発の歴史
そのルーツは1990年代にJ.C.ベンター研究所(JCVI)で始められた研究までさかのぼるが、特に大きなブレイクスルーとなったのが、2003年に細菌に感染するウイルスの合成に成功したことだ。
この成果はさらに、2010年における合成細菌細胞の誕生につながる。「JCVI-syn1.0」と呼ばれるそれは、マイコプラズマ・ミコイデスという細菌のDNAから作られた合成ゲノムだけから生まれた地球上最初の生命体だ。
さらに7年後、今度は自然界に存在するものの中で最小の遺伝子コードを持つ細菌が誕生。その「JCVI-syn3.0」の遺伝子は、すべて合わせてもたった473個にしかならない。自然界に存在する自立して生きる生命の中で、もっとも短い遺伝子コードだ。
だがJCVI-syn3.0は、細胞分裂によっていつまでも生き続けることができるものの、その一方でやたらとバラエティ豊かな形状を作り出すという不自然さがあった。