海洋生物が赤道から冷たい水に逃げ出している。大量絶滅の兆候なのか? (3/4ページ)

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・赤道から海洋生物が移動することで生態系に乱れが

 現代に話を戻すと、赤道の海に生息する「有孔虫」(硬い殻を持つ単細胞プランクトンの一種)がもっとも豊富だったのは、1万5000年前に終わった前回の氷河期の最中だったという。

 そしてそれ以降、有孔類は減少し続け、現在進行中の温暖化によってその傾向が加速している。プランクトンは食物連鎖の基礎となる種であるので、非常に重要な意味を持つ。

 一方、亜熱帯の海では多様性が増加している。そこによそ者が侵入してきており、これまでにはなかった捕食関係や競争関係が生じているということだ。

 こうしたことが生態系の崩壊につながったとしてもおかしくはないと、研究グループは説明する。実際P-T境界では、生物が大量に絶滅し、生態系がもたらすサービスは永遠に変わってしまったという。

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・その影響は人間にも及ぶ

 その影響は海の中だけにとどまらず、人間にも及ぶ。

 たとえば熱帯島嶼国の多くにとって、マグロ漁船への漁業許可販売は、重要な収入源だ。だが運動能力に優れたマグロなら国境など無視して、簡単に亜熱帯地域へ引っ越ししてしまうだろう。

 民芸品の素材として大切なサンゴや、エコツーリズムの目玉となるジンベエザメ、マンタ、ウミガメといった大型海洋生物も同様に重要な収入源だ。

 そうした生態系サービスに依存している国家にとって、熱帯の生物多様性の減少は直ちに死活問題につながりかねない。
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