一部が猿で一部が人間。サルとヒトを融合したキメラ胚を生み出し、19日間成長させることに成功 (3/4ページ)

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・細胞の異種間コミュニケーションを担う遺伝子

 この研究では、生存したヒト細胞の数だけでなく、スイッチが入った遺伝子や作り出されたタンパク質も確認されている。

 その結果、通常の受精プロセスによる胚とは違う遺伝子が発現し、異なるタンパク質が作られていることが明らかになったという。

 研究グループの仮説によると、そうした遺伝子とタンパク質の中には、サルの細胞とヒトの細胞とのコミュニケーションに関係しているものがあり、人間と動物のキメラ胚を長期間生存させるための鍵を握っている可能性がある。

 そのコミュニケーション経路を解明できれば、ブタなどを使ったヒトキメラ胚でも生存率を高められるかもしれないとのことだ。

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・それは禁断の研究か?

 こうしたヒトと動物を混ぜ合わせたキメラ胚の研究は、禁断の領域に踏み込んでしまったかのような印象を与える。

 確かに正しく利用することができれば、新しい治療を研究するモデルとして利用できたり、あるいは動物の体内で人間の移植用臓器を育てたりと、医療の発達に貢献することができる。

 しかし、もしヒト幹細胞が注入されたために、人間並の認知能力を宿したブタやサルが誕生してしまったら? それが社会に与える衝撃は大きなものになるだろう。
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