魔法の木かな。1本で300種ものマンゴーを実らせる木が存在する (2/4ページ)

この町はマンゴーの産地として知られていたが、当時カーンさんの家族が育てていたマンゴーは2種類のみだった。他の農家も同様で目新しい品種はなかった。
そんなカーンさんがマンゴーの種類に興味をもったきっかけは、少年の頃に友人の家の庭で見た色々な種類のバラだった。多様な色の花を咲かせるバラを見た彼は、植物の交雑を学び、その法則を果樹に応用できるのでは?と考え始めた。
その思いつきこそが、園芸家および育種研究家として世界をリードするカーンさんの転機だった。
・マンゴーでインドの園芸に貢献。最大の成果は300種の実がなる木
かくしてマンゴーの可能性に目覚めた彼は、わずか15歳で学校を中退。残りの人生をマンゴーの栽培と繁殖に捧げる道を歩みはじめた。
それからのカーンさんはマンゴーの新品種をいくつも開発するなど、インドの園芸分野に貢献していった。
その功績は政府から勲章を授与されるほど素晴らしいものだが、中でも特に有名なのが300種もの実をつけるマンゴーの木だ。
たった1本の木から成るマンゴー果樹園。それは接ぎ木によってできたものだ。
カーンさんがこの取り組みを始めたのは80年代後半で、樹齢およそ100年のマンゴー木の枝を切り、その断面に別種のマンゴーの枝を接ぐ方法で果実の種類を増やしていったという。
・木は1本でも実の色や形はさまざま。多様なマンゴーの果実
カーンさんが「Al Muquaraar」と名付けたハイブリッドなマンゴーの木は、彼の誇りと喜びの象徴だ。
8歳のころから果樹の育種に興味を抱き、さまざまな接ぎ木を試してきたカーンさんにとって、1本で300種類もの果実をつけるマンゴーの木は何物にも代えがたい特別な存在だ。