東京都目黒区の五百羅漢寺で行われているお財布供養について (2/4ページ)

心に残る家族葬

かつては「財布渡し」などの名称で、大家の家長が隠居し、息子などに家督を譲る際、いくらかの金銭を入れた財布を渡す儀式を、大晦日に行うこともあったという。このように「財布」という「もの」、そして言葉は、我々の生活に実に深く浸透している。

■生まれては消える言葉 常に変化し続ける言葉

話は飛ぶが、かつて「実年(じつねん)」という言葉がつくられ、いつの間にか消えていったことを覚えている人は今、どれぐらいいるだろうか。1985(昭和60)年に厚生省(現・厚生労働省)によって、50〜60歳代の中高年層を指す名称を一般公募し、およそ2万5000種類の言葉の中から選ばれたものだ。1〜2年ぐらいは使われていたものの、3年後の1988(昭和63)年には、「死語になりかけている」と1月28日付の『読売新聞』で報じられる始末であった。なぜ「実年」が定着しなかったのか。それは、日本語学者・橋本行洋(1958〜)によると、「役所」などの「上からの押しつけ」に対する反発。世間に広く浸透していた同義の言葉、「熟年(じゅくねん)」との区別が明確でないこと。そして「実際の年齢」を示す「実年齢」との紛らわしさがあったこと。更には、第二次世界大戦以前から「先輩」「年長」「上級」を意味し、「年を取っていること」に絡んだマイナスイメージがさほど存在しない英語のseniorのカタカナ、「シニア」が多用されるようになったことなどが要因であると述べている。

しかし「財布」という言葉に関しては、先行していた「巾着袋」「三徳」などとは明らかに違う言葉であり、しかもそれが「先祖返り」することなく、または英語のwalletやpurseがカタカナ語化し、完全に取って代わることもなく、「人にとって金銭など、価値あるものを持ち運ぶ布製のもの」である「財布」という言葉は、もはや今日では、「布」に限らず様々なものからつくられているにもかかわらず、何の疑問も抱かれず、使われているのである。

■五百羅漢寺のお財布供養


五百羅漢寺のお財布供養に話を戻そう。

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