東京都目黒区の五百羅漢寺で行われているお財布供養について (1/4ページ)
東京都目黒区下目黒にある五百羅漢寺(ごひゃくらかんじ)では、毎年3月12日の大祭の他、年に数回ある吉日(きちじつ)である天赦日(てんしゃび)にお財布供養を行っている。
■財布の起源と歴史
そもそもお金を持ち歩くためのものとして、「財布」そのもの、そしてそれを言い表す言葉は、江戸時代中期になってできたもので、もともとは「金袋(かねぶくろ)」、「銀袋(ぎんぶくろ)」、または「巾着袋(きんちゃくぶくろ)」と言っていた。
形は木綿や麻の裂地(きれじ)を二つ折りにして、両側を縫い合わせる。その片側は口より10〜15cmほど空け、乳(ち、ちー。丸いループのこと)をつけて紐を通す。それを首から下げ、口を巻いてふところに収める。または「三徳(さんとく)」という、長方形のものもあり、その中に小銭・印鑑・薬などを入れておくのだ。今日我々が知る「財布」は、三徳が発展したものと言えるかもしれないが、主に明治時代になってから、布や皮革など、多種多彩な素材で作られ、今日に至っている。
■財布の意味や用途
言葉としての「財布」だが、財布の「財」は、人が「宝」とするもののことで、金銀・珠玉・金銭・宝物・米穀・その他、値打ちのある物品など。それ以外では、働き・才知・才能。更に裁くこと・裁決、「ようやく」、「わずかに」などの意味もある。それゆえ「財布」は、金銭を入れる入れ物を指す。
■財布を用いた表現
しかも「財布」という言葉は例えば、「財布の紐が堅い/財布の紐を締める」であれば、無駄遣いせず、節約すること。反対に、「ついつい無駄遣いをしてしまうこと」や「思わず買ってしまうこと」であれば、「財布の紐を緩める」。「財布の底をはたく」は、有り金全てを使ってしまうこと。「財布の紐を握る」は、家庭の経済状態を掌握し、収入・支出を管理すること。しかもそれは単なる「管理」にとどまらず、民俗学的には、家長権を象徴するものと捉えられていた。