腕のない灰色のクリーチャーが2本足で歩き回る。全米各地で目撃例がある「ナイトクローラー」とは?

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腕のない灰色のクリーチャーが2本足で歩き回る。全米各地で目撃例がある「ナイトクローラー」とは?
腕のない灰色のクリーチャーが2本足で歩き回る。全米各地で目撃例がある「ナイトクローラー」とは?
青白い物体が二本足で歩きまわる、アメリカに出没するUMA「ナイトクローラー」に関する都市伝説
credit:sierraparahunter / Youtube

 どうにも途方に暮れる目撃証言がある。それはあまりにも奇妙で、既知の存在にはなにひとつ当てはまらず、分類すらできず、いったいなにが起こっているのかと思わせられる。

 こうしたケースは、超常現象やUMA、都市伝説の世界ではおなじみだろうが、腕のない灰色(あるいは青白色)のクリーチャーが、2本足で歩き回っているという話は、間違いなく首を傾げるケースのひとつだ。いったいこれはなんなのか。
・田舎道で元海兵隊員が目撃した腕のないクリーチャー

 2014年12月12日、アメリカ、オハイオ州ハイランド郡カーメルの、暗く寂しい田舎道で、それは目撃された。

 夕方、60歳の元海兵隊員とその妻が車を走らせていたときのことだった。この世のものとは思えない悪夢のようなものが、暗がりの中からいきなり現われたのだ。

 それは、腕がなく、薄い胴体に筋肉質の脚をしていて、全身の皮膚は灰色だったという。ほんの一瞬のことで、夫が声をあげたときには、それはすでに姿を消してしまっていたため、妻は実際には見ていない。だが、妻はこの不可解な出来事をMutual UFO Network(MUFON)のオハイオ支部に報告した。

カーメルへの道に入って、教会脇のカーブを曲がり、ちょっとした坂を上がり始めて30メートルほど行ったときのことです。車の前でその"エイリアン"は道路を横切って、森の中に消えたというんです。

見たのは夫だけですが、彼は誇り高い元海兵隊員ですので、自分の目を疑っていました。ショックを受けていなければ、あんな不可解なものを見たことを認めようとしなかったでしょう。

家に帰ってから、夫から見たものの姿を詳しく聞き出しました。

彼の話だと、それはアスファルトのような灰色をしていて、背丈は2メートルほど、腕がないように見えたといいます。顔もなく、脚は筋肉質で、後ろに曲がっていて、走るときは前のめりになっていたとのことです

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photo by iStock

・このクリーチャーの正体は?

 この証言が世間の噂になるやいなや、宇宙人だ、異次元からの侵入者だといった奇想天外ななものから、後ろ足で歩くシカ、サギのような大型の鳥の誤認、逃げ出したダチョウなど、さまざまな憶測が飛び交った。

 野生動物の生物学者はこう説明する。

その姿形は、ゲーム「サイレントヒル」に出てくる不気味なクリーチャーのようにも思えますが、ごく普通の説明がつくと思います。

目撃者はなにか異様なものを見たと主張していますが、私の経験則からは、それはリアルな動物で、その動物が普通にはあまり観察できないけれど、決して奇妙なわけではない行動をしていただけだと思います。

これは、後ろ脚で歩くオジロジカでしょう。シカは後ろ脚で立って、二本足で歩くことがあります。それにはいくつかの理由がありますが、たいていはエサをめぐって、オス同士が争うときです。

そのような姿勢で長く歩くことはありませんが、オスのシカが立ち上がって歩いている姿が、少なくとも目撃者が主張しているようなものに見えたと言えなくもありません

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credit:viantart.com/tohdraws/art/Fresno-Nightcrawlers-710380662" target="_blank" title=""Fresno Nightcrawlers by tohdraws


・全米各地でも目撃例がある「ナイトクローラー」に激似

 このカーメル・モンスターの正体がなんであれ、驚いたことに、腕のない胴体に脚だけという、よく似た生き物に遭遇したという報告はほかにもある。

 それらは、"ナイトクローラー"、"ウォーキングパンツ"、"ウォーキングスティック"などと呼ばれている。ある目撃者は次のように語る。

10年ほど前に、ニューヨークのブロンクスヴィルで目撃しました。午前2時半ごろ、友人ふたりと家の前でたむろしていたら、妙なものが後ろ向きに走って通りを横切り、信号の下を走り抜けました。

それは両腕がなく、半透明の灰色がかった薄っぺらい体をしていて、足が後ろに曲がっているのが見えました。そしてそれはたちまち消えてしまったんです

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credit:viantart.com/cinemamind/art/Fresno-Nightcrawlers-crossing-814507595" target="_blank" title=""Fresno Nightcrawlers crossing by cinemamind


 これによく似た奇妙な生き物の話で、もっともよく知られているもののひとつは、フレズノのナイトクローラーだろう。

 この正体不明の奇妙な生物が初めて報告されたのは1990年代。もっとも有名なのは、カリフォルニア州フレズノ周辺で、撮影された動画だ。

 飼い犬が毎晩のように暗闇に向かって吠えるようになったので、その家族は家の敷地内に侵入者がいるのではないかと心配になり、慌ててガレージ近くに、前の芝生が映るように監視カメラを設置した。

 すると、背丈が数フィートの青白い生き物が2体映り込んでいた。腕がなく、ひょろりとした竹馬のような脚が後ろに曲がっているように見えたという。

 脚のまわりにはなにか布のようなものがはためいているように見え、まるでパンツだけが歩いているようだった。その生き物は流れるような動きで芝生を横切ると、見えなくなったという。


the "Fresno Nightcrawler" video

 残念ながら画質が不鮮明で、細かいところはよくわからないが、その姿形や動きはあまりにも不気味で、家族は警察に通報した。

 まもなく、この映像をマスコミが入手し、フレズノ・ナイトクローラーとして、かなりの話題になった。

 多くは捏造だと考えたが、あの世からやってきたものをとらえた映像だと考える者もいた。フェイクが否かを検証する番組で取り上げられ、詳しく分析されたが、どうやら本物らしいとされた。意図的に映像を偽装しようとしても、同じものを再現することができなかったというのだ。

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credit:ParaBreakdown

 2011年、似たような動画が、カリフォルニアのヨセミテ国立公園でも撮影された。公園のスタッフが園内で破壊行為を行っている侵入者を特定するために設置した監視カメラに映っていた。

 やはりこれも、丘の中腹を横切っていく、2体のひょろ長く白い姿をしたものの映像で、片方はもう一方よりも小さく、両者とも膝から上半身にかけて、紐のようなもので絡まってつながれているように見えたという。


Strange Alien Stick-like creatures caught on security camera above Fresno in Yosemite National Park

 このふたつの動画はとても似かよっているように思えるが、フレズノとヨセミテの生き物に関連性があるのかどうかはわからない。

 両方ともフェイクだというものから、土地の伝説の精霊、幽霊、エイリアンなど、さまざまな説があるが、誰にも本当のことはわからない。

 なにが起こっているのだろうかと、ただ不思議な思いが残るだけだ。エイリアンなのか、異次元現象なのか、それとももっと奇妙なものなのか、相変わらず不気味でわけがわからないままだ。

References:The Bizarre Case of the Carmel Mystery Crawler | Mysterious Universe/ written by konohazuku / edited by parumo
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