長寿の秘訣は何だったのか?108歳まで生きた徳川家康のブレーン・南光坊天海に訊いてみた (2/4ページ)

Japaaan

「この世に美味い食い物などありはせぬ。あるのはただ、目の前の物を美しく味わう心がけじゃ」

粗食は贅沢をつつしんで、かつしっかりと栄養がとれる食事を心がけること、次の正直は現代と同じく「嘘をつかないこと」を言います。

何となく精神論を言っているように思いますが、嘘をつくことによってそれを隠し通すために気をもんだり、嘘を重ねるために頭をひねったり、そのストレスは意外と身体に悪影響を及ぼすのでしょう。

日湯とは「毎日お風呂に入ること」。現代人からすれば「逆に毎日(時には一日何度も)入らないと気持ちが悪い」と思うでしょうが、当時は設備・経済面などの問題から、誰でもいつでも入れるものではなかったようです。

続く「だらり」とは何かと言うと、これは男性の股間にぶら下がっている陰嚢(いんのう)を言うそうですが、これが縮み上がるようなストレスを感じず、いつも「だらり」とさせておくのがよろしい、と言っています。

※この解釈には諸説あるようで「僧侶なのだからそんな下品なことは言うまい。陀羅尼(だらに。仏教の呪文で、原典のサンスクリット語)を唱うべしという訓戒を、卑俗の者が聞き違えたか面白おかしく曲解したのだ」あるいは「風呂上りは身体が熱っているから、あくせくしないでだらりと身体を休めるべきだ」などとも言われるようです。

そして「時おりあそばさるべし」という「御下風」とは、下から出る風つまり放屁(ほうひ)を言います。

もちろん人前で放つのは失礼に当たるものの、体内の老廃物を排泄する行為には違いないため、あまり我慢ばかりしていると身体にはよくありません。

だから、周囲に迷惑が及ばない状況では、放屁もやむなし、くらいに大らかな気持ちでいた方が、身体にも精神にもよいと言うのです。

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