「これを食べれば免疫力アップ」は本当? 食事と免疫力の本当の関係 (2/2ページ)
食事でとったたんぱく質は、アミノ酸に分解されて全身に運ばれると、DNAにしたがって体を構成している「体たんぱく質」に合成されます。食事から摂取しないといけないアミノ酸は全部で9種類。この9種類をまんべんなくとることで、体内で再合成されるたんぱく質の量が多くなります。
たんぱく質というと 「肉を食べればいいんでしょ」 となりがちですが、動物性たんぱく質ばかりに偏ると脂質のとりすぎになりやすいので注意が必要です。
■「〇〇を食べて免疫力アップ」は本当か?コロナ禍で注目を浴びているのが「免疫力」ですが、この免疫力がクセ者。情報番組などを見ると「免疫力を高める食材」が紹介されていたりしますが、「これさえ食べればOK」というものはなく、やはりこれも大切なのは「組み合わせ」です。
本書では
・免疫細胞のもとを作る(動物性たんぱく質、植物性たんぱく質)
・免疫細胞を活性化させる(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC)
・腸内環境を整える(発酵食品、食物繊維、オリゴ糖)
この3つの相乗効果で免疫力がアップするとしています。
そして、食事を整えるのと「車の両輪」になるのが生活習慣。ストレスや睡眠不足、運動不足など、免疫力を低下させる要素はできるだけ取り除いた生活をするのが免疫力アップの近道というのは心得ておきたいところです。
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食事や栄養に「これさえ食べておけばOK」というようなシンプルな正解はありません。そして、年齢や健康状態、その時の体調によってとるべき栄養素は少しずつちがいます。
「そんなに難しくて複雑なこと、毎日できないよ」 と思った人こそ、本書がおすすめ。メディアで得られる断片的な知識ではなく、栄養素についての総合的な知識が手に入るため、偏りのない食事をするためのポイントがわかってくるはずです。
食材ごとに栄養素や健康上の効果、食べ方のコツがまとめられていて、辞書のように使えるのも便利。健康のためにどんな栄養が必要で、何をどんなふうに食べれば摂取できるのか。とりすぎたり、足りないとどうなるのか。栄養素と食事についてのすべてをカバーできる一冊です。
(新刊JP編集部)